時には『押絵と旅する男』のように

 江戸川乱歩の作品で傑作と言われたら、まず文句なしに 『人間椅子』を挙げる。次に『押絵と旅する男』を挙げたい。 もちろんこれは好みあるが、実際、この二作品はいい。で、 あとはと言えばあまりいい作品はない。だいたい横溝正史が 代作をかなり請け負っていて、それは乱歩も白状している。 『押絵と旅する男』は京都の旅館で一晩で書いた…
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十返肇『実感的文学論』1963,かっての文壇のご意見番の到達点「純粋印象批評」

 かって十返肇(とがえりはじめ)という文芸評論家がいた。もう、 まずおなじみでない人が圧倒的に多いだろうが、かって文 壇の「ご意見番」としてその存在感を示し続けたのである、 だから自分自身は作品は書かない、十返肇というペンネーム が変わっていて印象的である。このペンネームこそが最大の 売りかもしれない。丹羽文雄に勧められた…
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独自性が光る産経新聞、脱炭素、統一教会で他の新聞メディアと一線を画する

 日本の新聞の論調、そのプロパガンダ等などは確かにに思考 停止かと思われるほど画一的である。基本的に、多数の読者を 抱える以上は、社会で定説的なプロパガンダ、主張に背けない、 もし背けば何を言われるやら分からない、という本音があるた めと思われる。それの事細かに見れば違いがあり、ことに右翼 的立場、リベラル的立場に立つかで…
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宝塚、懐かしの写真館(200)玉津真砂「ナンセンス」舞踊講座 『歌劇』昭和12年1月号

 西洋舞踊の基礎から話してくれ、という編集部からの依頼 ですが、どうせ実際まだ経験の浅い私のことですから、ナン センスな内容に終わってしまうでしょう。   我々日本人の娘が西洋の舞踊を練習するにはまず、第一 に歩き方から改めねばなりません。つまり今までは内側を向 いていた足先を、今度は外向きにするんです。同じ外向きで …
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須田作次『草の情』1963(河出書房新社)類を見ない民話的で素朴なエロティシズム

 1962年だろうか『烏のしらが』で芥川賞候補となった、 須田作次(1925~2006)の長編描き下ろしで1963年初頭に、 河出書房新社から出た、・・・・・もう忘れられた作家だ ろう、この『草の情』は古書で容易に購入可能である。  『烏(からす)のしらが」で芥川賞候補、民話の世界を描い たやや特異な個性的な作風だった…
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