伊藤整の最期の言葉が明かす, 長男の命名への後悔

 作家の伊藤整は非常に用心深い人間だった。旅先でホテル に宿泊する際は、必ず「細ひも」を脱出のために用意してい たという。その用心深さが作品の綿密なプロットを生んだ、 結果、失敗作もあるが、基本、失敗の少ない作家だった。評 論をかずおおく書いたのは、それでないと小説の欠けた部分 を補えないと思ったようだ。自分はしょせ…
コメント:0

続きを読むread more

澤地久枝『愛が裁かれるとき』1979,15組の離婚を描く、裁かれているのは人間ではないのか

 15組の夫婦の離婚をドキュメントで描いた本である。三組 に一組は離婚ともされるが、正確な統計は数字としては出に くい、相当離婚が多いのは事実だ、熟年離婚もあるが、離婚 率を年齢で見ればやはり高齢者の離婚は少ない、いまさら、 再出発もやりにくいし、新たに安定した住居を確保も容易で はない、高齢者には賃貸住宅もオープンでは…
コメント:0

続きを読むread more

神戸の観光の没落、実質、観光資源はゼロに近い

   ある時期、長くはないが神戸の観光資源で北野町、異人館 が多少ブームになった時期もあった。だが今となれば、それも 消滅に近い、もはや神戸に異人館にいこうなんてい人は文化勲 章ものだろう。いわゆる日本的な観光資源に極端に乏しい、い わゆる明治の文明開化的な日本、なら多少は雰囲気は残ってい るともいえるが、半端で魅力はない。…
コメント:1

続きを読むread more

宝塚、懐かしの写真館(250)「色彩幻想曲」東宝劇場・雪組、昭和14年11月春日千鶴子、蒼井このみ、山鳩くるみ、萬…

 東宝劇場・雪組公園「色彩幻想曲」欧米各国での留学を 終えた東信一、河崎一郎らが色彩を主題とし、近代的なスタ イルで構成されたグランド・レヴュウ、赤色に情熱、青色に 憂いを感じる如くに色彩感からくる情熱を歌に踊りに芝居に 表現の帰朝第一作、というふれこみ。  春日千鶴子」風船売り    青井このみ、山鳩くる…
コメント:0

続きを読むread more

ビショップ『キリストの死』三浦朱門訳、人間!イエス・キリストの生涯, 知識の整理に有用

   芥川龍之介の『西方の人』と関連して考えてしまう。大正 時代の教養人がどうしても触れざるを得なかったイエス・キ リスト、芥川は「クリスト」と称しているが。芥川はキリス ト教信者ではない、信者でない以上はイエス・キリスとをど こまでもその人間を追求した、そのスタンスと同じくキリス トを一人の人間として描きだそうとした著作で…
コメント:0

続きを読むread more