杉本苑子『華の碑文ー世阿弥元清』1964,あゝ、「序破急」のドラマが展開していない 吉川英治さんのお弟子筋の杉本苑子さんの力作である。元来 、日本の舞台芸術は古い伝統を持ち、奈良時代から伎楽、平安 時代には舞楽があった。だが基本的二それらは大陸からの模倣 というべきものだったが、ともっかう民間の猥雑なエネルギー には満ちていたはずだ。それを演劇として、芸術的な優雅な演 劇へと高めた、のは能楽の出現で始… コメント:0 2023年02月04日 続きを読むread more
親の死より、猫の死のほうが遥かに悲しい、親の死は大往生、猫の死は無限の心の傷み これは事実だった、さらに云うなら、猫とハムスターである。 猫を看取るって田舎ではなかなか難しい、どこかに行って死ん でしまう、こととうちの親が無慈悲にすててしまったからであ る。いやしくも、命あるものを「捨てる」など絶対に許される ことではない。まして長年一緒に生きた家族同然の猫、その老 いた雌猫をある日、突然「捨ててこ… コメント:0 2023年02月04日 続きを読むread more
北朝鮮を笑えない、薬害の隠蔽どころか薬害発生をもたらす大プロパガンダ、日本人の善意、信じやすさに付け込む 別に現在の新型コロナワクチンに限った話ではない、1975年 に岩波新書で刊行された吉原賢二氏「私憤から公憤へ」社会問 題としてのワクチン禍、ーこれは工学技術者の吉原氏がご子息 がインフルエンザワクチンを接種により重大な知的障害となる 薬害の被害者となった、その経験談を述べ、ワクチン禍にあま リに無頓着な社会の誤りを告発さ… コメント:1 2023年02月04日 続きを読むread more
萩原葉子『木馬館』萩原朔太郎の不遇な長女の終戦前後のアパート生活 萩原葉子さんは詩人の萩原朔太郎の長女として、またダンス 好きとして知られていて、その事情に通じていないと偉大な詩 人の娘としてお嬢様として育った、とつい誤解してしまいがち だが、現実は大違いである。1920(大正9年)~2005,享年84歳。 萩原朔太郎の最初の妻、その長女であるが8歳のとき、1928年 、昭和3年に… コメント:0 2023年02月04日 続きを読むread more
三島由紀夫『絹と明察」1964,前作「宴のあと」と同工異曲、「近江絹糸争議」に取材、日本人の願望と公私混同をえぐる 私は三島由紀夫の作品は非常に鼻につく、奇異にしか感じ られないものが多いが、他方で「宴のあと」はいいたくないが 、実によく描けていると思う。「絹と明察」の前作が「宴のあ と」であり、その日本人の密やかな願望をえぐり出した巧みな 表現というコンセプトがそのまま「絹と明察」に受け継がれて いる。三島がこの路線いけばいいも… コメント:0 2023年02月04日 続きを読むread more