谷川雁『無の造形』1984,帰ってきた永久革命者、工作者の亡霊だろうか

    1960年安保闘争の前後の時期、いわゆる「自立思想」の旗手 的な存在で吉本隆明と並び称されていたほどの谷川雁は、思想 界から退避していたが1984年、突如よみがえった。谷川雁の異 名は「工作者」である。いうならば工作者の亡霊というべきか。  この本の刊行の前の時期、谷川雁は「十代の会」という集まり に所属し、宮沢…
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死んで忘れ去られるどころか、生きていても忘れられている人が多い

    寂しい話だが、よく「死んだらいつかは忘れ去られる」とは よく云われるが、現実は実に厳しいと思う。生きていても実際 は忘れられている、事実上、忘れ去られている人が多いという ことである。何か特技、というとおかしいが、社会にアピール るできるような技術、芸術的な天分、多様な意味での才能が備 わっていて、その結果、交際も多…
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唐十郎『安寿子の靴』森鴎外の作品を下敷きに演劇作家・唐十郎の面目躍如

    先日急逝された唐十郎さんのこれは名作だと思う。あの 「安寿と厨子王」を下敷きとしている。名前も互いにわからな い一人の少女と一人の少年が赤い靴の片方を探して京都の街を さまよう、・・・・・同名ドラマが1984年NHKで放送され、大 木な反響を呼んだ。実際、ドラマとしての作品が先らしく、そ れから小説も派生したようだ。…
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結局、仏教の教えは釈尊(仏陀)の言葉のことだろう。日本仏教は何故、釈尊より日本仏教各派の開祖を重視するのか?

   これもいたって素朴な思いなのだが、朝ふと私の部屋にあっ た『ブッダの言葉』中村元(新潮社)、久しぶりに目を通した。 思うに釈尊(仏陀、ブッダ)の言葉はそうとうに確実な形で残っ ている。それは阿含経となるが、これが日本で「阿含宗」となる と阿含の火祭り、のように、やはり「日本流の極端なディフォル メ」がなされて誤解を生ん…
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