雨に見放された西日本、豪雨災害と渇水、水不足の間で年中、ギャーギャー騒ぐ日本 雨に見放された西日本、渇水問題がいつ顕在化


 先ごろ、多少まとまった雨が降ってダム貯水量も幾分、持ち
直してなんとか平年並みに近くなったが、またほぼ雨はなく、
1994年の大渇水、少雨の再来が懸念される。少雨、水不足は、
高温をも招く、今年の梅雨が基本的に空梅雨であったのは事実
で、梅雨前線は間違いなく出来ていたが、日本に連続して雨を
もたらす働きはついにしなかった。古来、雨乞いは人間にとっ
て死活問題の少雨、水不足を天に訴える儀式だが、今年はまだ
岡山県では行われていないようだ、そろそろ、と思うが。

日本という国は一人あたりの有効利水量は本当の世界でも最底
辺というくらい恵まれない。貯水量で比較した場合、日本最大
の奥只見ダム0.58億トンだが通常のダムで世界最大はアフリカ
のカリバダム1800億トン、世界江では10位以内にも入れない
アメリカフーバーダムが400億トン、日本のすべてのダムの貯水
量を合わせてもわずか230億トンにしかならず、フーバーダムの
半分程度でしかない。自然湖利用のオーウェンフォールズダム
が2兆7000億トン、

 奥只見ダムの5万倍もの貯水量を誇るOwen Falls ダム

 Owen_Falls_Dam_Jinja_-_Uganda_-_1971.jpg

 日本は降雨量が多いとされるが、それは単位面積当たり降雨量
だから、降雨を受け止める面積自体が非常に狭く、また形状が
島国で細長く、地勢も急峻であり、明治以降、日本を視察に訪れ
たフランスの官僚が、「日本に川はない、すべて滝だ」とあきれ
たほどで、狭い面積に降った降雨もすぐ海に流れ出る、急峻で
地下水として貯まる量は非常に僅かである。だから必死でダムを
建設しても、しょせんは日本だから僅かなものを溜め込む、にと
どまる。ちょと降れば豪雨災害、ちょっと降らないと渇水、水不
足、人口は面積からすればやたら多い、本当に水にはじつは恵ま
れない日本人である。日本は年がら年中、豪雨災害と渇水の間で
ギャーギャー騒ぐしかない悲しい運命にあるわけだ。

 この水資源に世界レベルでも全く実は恵まれない日本だが、今
年、西日本は雨に見放され、カンカン照りが延々と続く、高温で
ある。まだかろうじてダムの貯水量は平年を多少下回る低度で維
持されてりうが、今後もまとまった降雨は期待しにくく、もう、
雨乞いでもしないとどうしようもない、だろう。私の子供時代で
も少雨のとき、人工降雨、雲にドライアイスを撒く、などされた
ような記憶はあるが、最近はなされていない。

 いずれにしても、西日本がこのまま超少雨が続けば渇水は、ま
佐に顕在化し、生活にも大きな影響を及ぼす。テレビではアナウ
ンサーが東北の豪雨を絶叫で伝えてるが、西日本は別世界の苦し
みである。

この記事へのコメント

killy
2022年08月05日 08:56
7月19日の大雨では、新成羽川ダムが貯水率41.5%でしたので、一滴も放流せず貯水。他のダム(90%)が放流しても高梁川の水位は低く、小田川は順調に合流できました。
その後、高温少雨で再び貯水率が下がっています。
以前から、矢掛の水害の原因は「新成羽川ダムの放流・特に500㎥/秒を超えると危険」と進言しているのに町役場は聞く耳を持ちません。