宝塚、懐かしの写真館(197) 梢音羽(星組・演劇科)昭和12年6月『歌劇』
テーマ・誰の知らない私の一面、より、
梢音羽(星組・演劇科、男役)私は泣き虫、笑い上戸で
子供好き、騒ぐのが好きで、また憂鬱な人間、変に思われ
ますが、これが私なんです。
お芝居や映画に子供が出ると可愛くてたまりません。また
ゲラゲラ笑ったり、涙ポロポロで観劇、後で恥ずかしい思い
に襲われます。
何しろ、子供と遊ぶのが大好きです。「お姉ちゃん」と子
どもたちが寄って来ます。幼稚園の先生になったらよかった
気もします。
舞台での泣き笑いのお話、何しろおかしいと笑いが止まら
ず、困ってしまいます。昨年は、東宝劇場での「御雛番付」
で、江戸っ子のお雛様になりました。台詞が長くて大変でし
た。それをある日、私が台詞を切るたびに誰かが返事するん
です。はじめは何クソでしたが、なかなか返事をやめないの
で、とうとう私が笑いだして声が震えて観客には怒鳴られる
し、舞台から楽屋まで泣き笑い、ひとりで「あんまりや、
くやしい、それでもよく、わらえたもんや」とブツブツ云っ
て三十分あまり。
私は笑うとすぐお辞儀して、何でも叩いて笑うんですが、
そのクセがとれません。
こう話しますと、さぞ賑やかな人間に思われますが、家では
無口で静かです。
ぼんやり黙っていると、何か憂鬱?と聞かれますが、そうで
はなく、ただみなの中に入りにくい、困った一面かもしれませ
んね。
(編集部:梢さんは星組一の中堅でスマートな容姿の持ち主
です。泉川さんと仲良しだそうですね、詳しいところはわかり
ません)
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