安倍元首相の国葬、気に入らないニュースキャスターを降板させるような不見識な首相の国葬は論外だろう


 img_fc29ea35d0f17267f1d6c7d70ba7d8af275558.jpg国葬に関する法律は明確なものはない、国は閣議決定で儀式
を行える、というのを拡大解釈して法的根拠がある、だから、
安倍元総理の国葬は認められる、という以前のそもそも問題が
ある。国葬の日本の法制度での定義がない以上、閣議決定で「
何をやろうが勝手だ」というのだろうが、常識的に言えば国葬
を行うと云うにふさわしい人物、業績、民主主義の見地からの
行状というものが要件になるし、「評価」は定まっていない、
といいって、安倍元首相自身が「日中戦争の歴史的評価は定ま
っていないだろう」というぐらいの「歴史的評価が定まらない
」ことがお好きな政治家だから、安倍元首相は辞任後、わずか
年月しかないのだから、そもそもこれ自体が議論以前である。

 歴史的評価が定まらない政治家で辞任してまもない、という
国葬レベルで論じられない元首相を「国葬」も「閣議決定で自
由」というのだから、根底にあるのは権力の公私混同の横行で
ある。

 何につけても「日本はG7、民主主義陣営だ」と政権政党以外
でも国内メディアは「日本は民主主義国」と咆哮するのがまこと
に好きな質である。

 だが考えてほしい、民主主義と云うなら民主主義と言うにふさ
わしい言論、思想の自由などの広範な自由権が確立されているこ
とが必要である。だが報道の自由度、言論の自由の度合いでも日
本は世界での評価は極端に低い、それを多少隠蔽しようとして
国内メディアは「Ḡ7の中で最も低い」という誠に欺瞞的な報道し
かしないが、まず世界の普通以下レベルのおおくの国も含めて、
日本の報道自由度は非常に低いのである。60位以下である。

 それも道理で安倍元首相などは在任中、放送に介入し、気に入
らないニュースキャスターがいれば菅などを使って圧力をかけて
辞任に追い込むという、まず世界で首相レベルの政治家がこのよう
な不見識なことを行うような類例を見つけることは至難であろう。
まず普通でも普通をかなり下回るレベルの国でもありえないような
所業である。

 この言論、思想への介入は放送への圧力という点で第二期安倍
時代は頂点に達したのである。この点だけでも国葬などそもそも
論外な政治家というしかない。無論、辞任後まもないこと自体が
異様だが、その在任中の所業は民主主義を破壊する行為が多すぎ
た。だが日本のメディアはこういう抑圧、あってはならない行為
への批判は本当に乏しい、当時の菅官房長官に国谷裕子さんの
質問が厳しかった、からといって「官邸の圧力」で辞任に追い込
む、ちょっと民主主義破壊以前の常軌の逸脱である。
日本のように通常、メディアがまともな権力批判を行わない国で
は国谷さんのようなキャスターの存在はまさに貴重なものだった
が、これである。

 安倍晋三政権を長期化させたのは根底にある小選挙区制で自民党
が得票率を大きく超える議席数を獲得し続けたこと、小選挙区制に
よる党の公認権で党内の批判を徹底して抑えたこと、さらに巨大
総合右翼団体組織、日本会議をバックにしたということ、安倍第二
期を生んだものは日本会議である。

 閣議決定で決めたら自由だ、はあまりに情けない矮小な話である。

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