宝塚、懐かしの写真館(211)志賀都(花組・演劇科)「春の便り」 昭和11年5月号 『歌劇』
志賀都、花組・演劇科(昭和11年、1936年)「春の便り」
小百合ちゃん、すっかり春らしくなってきましたね。お
元気ですか?私は相変わらずもやもやした状態です。名古屋
公演もやっと千秋楽を終えました。盛大でした。こちらでは
皆、スケート熱に浮かされて三浦さん、橘さん、岡さんはもち
ロン、私もその一人です、云いたいのですが、名ばかりで、装
束だけは一人前、始めは真鍮みがきで、転んでは起きての繰り
返し、その心境を察してください。立松さんに手を引いてもら
い、やっと歩けるようになったと思うと、スッテンと転び、起
木上がろうと思うと後ろから来た人と衝突、お陰で翌日は手足
が痛くて、アザだらけ。おまけに風邪まで引いて、行けなくな
って、治ったとまた思って早速、すべりに行こうとしたら先生
から危ないからと止められて、せっかく楽しみにしていたんで
すが、一日でおじゃんとなりました。先日はまた、日本ライン
へ行くつもりで出ましたが、朝から風がひどくて舟は危ないと
のことで蒲郡に行きました。
志賀都
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