「やぶ蛇国葬」の安倍元首相の「功罪」


 a0606244666cb4a1a6101b720edc213d_1.jpg来週だろうか、安倍晋三元首相の「国葬」が執り行われる
そうだが、全くの「やぶ蛇」藪ををつついたら蛇が出てきた
という諺の通りで、全く、よせばいのに誰の発案だったのか、
盟友だった麻生だという。日本に国葬の法律はないし、皇族
の葬儀は皇室行事である。国葬とは云わない、エリザべス女
王の葬儀は国葬、少なくとも国葬と訳されているが、女王で
ある。日本では戦後は吉田茂元首相が「国葬」で送られた。
弔事で当時の佐藤栄作首相が「吉田先生!」といったのは、
大いなる違和感を与えたようだ。「吉田学校の優等生」の
佐藤栄作首相であったわけだ。ともかく、日本の「国葬」の
定義は、皇族以外で、「多大の業績、多年にわたり」という
ものだろうが、正直、その定義は到底現実的に確定し難い、
ましてごくごく最近まで総理を務めていた人物の評価など、
その期間が長かった、というだけでは「国葬」で国民挙げて
その死を悼む、というわにはいかないだろう。「小説吉田学
校」の戸川猪佐武氏は女性とホテルに同室、死亡、死亡前
に「ウオー」と苦悶の声を挙げて循環器系の破綻で死亡とい
うが、弟の菊村到氏は「兄貴は腹上死か?」と問ういていた。

 なぜ「国葬」?かと考えれば、実質、暗殺されたという事
象を捉えてその死が「特別なもの」になったと政権、自民党
首脳が考えたということだろう。旧統一教会、国際勝共連合
と蜜月以上だった祖父の岸信介元首相、そのつながりから安
倍元首相も繋がりは深い、事件後、山上容疑者の安倍襲撃の
「動機」から保守べったり、とされていた日テレが連日の旧
統一教会攻撃、これは岸信介から安倍元首相までのラインを
攻撃しているのとじつは同じである。思わぬ展開で自民党
議員と旧統一教会との絶縁を迫るメディア、・・・・・
その珍妙な事態の中での「国葬」、・・・・・反対が多すぎ
る。その安倍長期政権の「功罪」を問う声がふつふつと盛り
上がっているのだ。

 安倍晋三元首相の第二期政権は日本会議によって後押しさ
れた右翼的な性格が極端に強く、ミニファッショ到来とも云
われていた。日本人は至って保守的な国民性だから、右翼的
あであることは選挙では「草の根保守」にアピールして選挙
ではいい結果をもたらす、というより、そもそも現在の小選
挙区制、比例代表並立制では必ず自民党は勝ち続ける構造が
そもそも存在している。端的いいえば安倍晋三でなくとも、
自民党は「選挙区で一票でも多ければその選挙区を取る」と
いう制度のもと、少ない得票率でも保守の国民性、政治風土
から間違いなく勝ち続ける。別に右翼政権でなくても結果は
何ら変わらなかっただろう。つまりなぜ安倍第二期がかくも
長期政権であった加賀自民党の支配構造が日本会議由来の構
造に変わってしまったことが決定的である。党内を抑え続け
たのは日本会議、神道政治連盟などの復古的政治勢力の力が
大きい、そのような勢力に最も好かれたのが安倍元首相であ
った。

 安倍元首相は第二期政権ではやたら芸能人を利用、また
右翼的なテレビ番組を利用、読売テレビの「そこまでいっ
ていいんかい」などの番組を育てた、といてt過言ではない。
そこからうまれた維新、橋下との蜜月、「桜の会」動員に
見られる公私混同、その公私混同はメディアへの恫喝でも
従来に見られないほどで、気に入らないニュースキャスター
を次々に降板させたり、NHK大河ドラマまでスクリプトに
保守的な表現を露骨に入れさせる、NHKを私物化したりで、
さらに集団的自衛権の法解釈の変更を法制局に命じたり、
スパイ防止法、などの言論抑圧的な法制度を数多く成立させ
た。どれも国民の大いなる反対があったが「選挙区で一票で
も多いほうがすべてを取る」式の小選挙区制で選挙は勝ち続
ける。日本会議と小選挙区制が生んだ安倍第二期長期政権で
あったが健康に問題は抱え続けた。安倍晋太郎、父親に似て
愛想がうまい、人当たりがいい、などの特質を受け継いでい
た。しかし森友学園である、籠池理事長、安倍首相から100
万円渡された、という、秋葉での安倍街頭演説で籠池氏、「
安倍よ、100万円は返すぞ」と、不明朗では済まない。

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 とまあ、考えてみて、「国葬」に安倍元首相はふさわしい
政治家、人物であったのだろうか、反対が多くて当然だろう、
まさしく「功罪」である。やぶ蛇国葬とはこのことである。
「5時間食べ物は禁止、水は給水所からだけ」やれやれ、
ご苦労さんである。

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