宝塚、懐かしの写真館(216)草路潤子「わが組、声楽専科の自慢」昭和11年4月号『歌劇』
年、1936年までは通常の、「月組」、「雪組」、「花組」、
「星組」の所属はまず準主役クラス以上で、またエリート主役
クラスで「舞踊専科」、「声楽専科」。残りの若手は多数が
「ダンス専科A]、「ダンス専科B]「ダンス専科C]、「ダンス専
科D]という組分けだった。「舞踊専科」はこの年度、花里いさ
こ一名、ただし昭和12年から改編し、専科は舞踊専科だけにな
って数名以内、残りは全て月組、花組、雪組、星組の所属とな
った。
月組29名、花組30名、星組30名、雪組33名
舞踊専科1名、声楽専科39名、ダンス専科A、44名
ダンス専科B 49名、 ダンス専科C 44名、ダンス専科D44名
という布陣、『歌劇』昭和11年4月号、の「各組自慢合戦」では
「声楽専科」所属の草路潤子の執筆
声楽専科 草路潤子
三浦時子さんを組長とする私たち声楽専科の生徒ほど、皆が皆、
はつらつとしている女学生気分の濃い組はないと思います。だから
舞台上ではお姫様は召使い、といろいろ異なっておりますが、舞台
以外では全て平等で皆が、われこそは大将ということで上級生も
下級生もないということです。そんなつまらぬ上下関係は問題とし
ないのですね。全てが開放的で声楽の生徒は生意気やとか云われて
も、自分の思ったことは誰の前であろうと、遠慮なく発表し、それ
を実行していきます。この点で声楽専科は非常に先進的で現代的と
誇りを持っております。
さらに声楽専科の特徴は、皆さん、血の気が多いことです。何か
一つのことが起こると、皆、一緒になって血を沸かせたり憤慨した
りで、なにせ人数も少のうございまして、団結力は強いわけです。
このためか「声楽専科は嬉しがりや」とよく他の組からも排斥され
ますが、私たちは嬉しがり屋でいいのです。昔は、皆で揃って、植
物園に行ったり、ピクニックに行き、お弁当を開いたり、でもこの
頃は忙しくなってそんな暇はなくなりました。三月は三浦、橘、
草笛、葦原、は東宝、櫻井、寿、一條、二條さんは横浜、私は大劇
場、でも声楽専科、上からしたまで何とお偉い方が多いことか、そ
の中の私ですので、・・・・・
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