出産費用支給で出生率向上を図るのは1円スマホの発想と同じこと

日本の出生数は劇的に減少している。そこで出生率!の向上
を目論んで、出産費用の公的支援を行う、あるいは増額、とい
う報道が目につくが、これはあまりに短絡的である。確かに
出産費用を公費で負担、あるいは「祝い金」はいいとしても、
それがあったから、「じゃ、産もう」と決断する夫婦がどれほ
どいるだろうか。
出生数を上げるには出生率向上、それは紛れもなく事実だが、
出生数の減少は、出生適齢の女性の数が激減していること、さ
らに未婚率上昇、晩婚化、子供を育て上げるには莫大な経費も
かかることもあり、夫婦の現実的判断で少子化が定着している
ことに起因する。たしかに出生率は多少上がろうと、出産年齢
の女性が減少しているから、出産数はやはり激減以外にないの
である。子供がいないと、欲しいという気持ちは当然にしても、
大学までサポートは莫大な費用がかかり、またすぐに離れて去
っていく。伴侶もいつかは去る、自分が先に行かなければ、
人は結局、一人きりの独身になる。産む、産まないは単純な
問題ではない。
公的には16歳から45歳まで、というが非現実的なほど広い。
出産適齢は20代半ばから30代半ばであり、早すぎる出産、また
高齢すぎる出産はリスクを伴う。だいいち子供は産めばいい、
現在は児童手当は一人目から支給だが、18歳までである。本当
の子供にお金がかかるのは大学進学である。それまでは、さほ
ほ大きな経費はかからない。無論非常に高額な塾とか高額な
私立中高一貫などなら費用はかかるが、大学の費用に比べたら
遥かに安い。つまり子供に費用がかかるのは大学からである。
まさに一万円札に羽がついたように飛び去っていく。
だからもはや、出生数自体を増やすことは現実不可能である。
出産適齢の女性数が今後ますます激減するのだから、もう出生
率向上などにとらわれず、大学卒業まであまりの高負担がない
よう、広い観点、視野から政策を考えるべきだろう。
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