マーク・エリオット『闇の王子 ディズニー』ウォルト・ディズニー、虚像を剥いだ最初!の伝記


 私の子供時代、テレビ、日本テレビ系列での毎週金曜日、
夜8時からは「プロレス中継」と「ディズニー」の隔週交互
放送だった、できれば、両方とも毎週にしてくれたら、と
思って残念だった。「ディズニー」の番組の冒頭、まず原則
ウォルト・ディズニーの口上があったが、もう無類に紳士面
で穏やかだった。でも亡くなったのが早かった、1965年であ
った。共同でディズニーランドなどを立ち上げた兄のロイは
まだまだ生きたのだが。65歳である、ヘビースモーカーであ
り、たばこの健康効果さえ信じていてそれが命取りになった
のは否めない。

 毎回、にこやかに番組の内容を解説した

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 だがディズニーのビジネスとしての成功は計り知れない。
あれほど子供たちが憧れるディズニーランド、かってほど
映画、アニメ制作は目立たないが、これも着実である。

 窮極のアメリカンドリームというべき、ウォルトディズニ
ー、あの日テレ系のディズニーの番組で若き日のディズニー
も出た、おもちゃの蒸気機関車?に乗っていたような、・・・
自宅ではない。

 どんな人だったのか、だがこれば暴露本的だった、それま
でウォルト・ディズニーの、ありのままの姿を、生涯はほぼ
述べられなかった。
 
 FBIのスパイであり、赤f狩りの協力者、徹底したユダヤ人
排斥論者、差別感情の塊、従業員には徹底して弾圧的だった、
あの紳士面の裏面がこうだったとは、当時、アメリカ人は仰天
したはずだ。

 実はこの本が出るまでもウォルト・ディズニーの伝記めい
た本は何冊も出ていたが、暗部にまで踏み込んだものは初めて
だったそうだ。それまでの伝記は全てディズニー社kの検閲を受
け、許可を受けたものばかりだった。

 この本では著者は生前のウォルト・ディズニーを知る人の証
言をかずおおく掲載し、またFBIの資料を持ち出している。口ひ
げをたくわえた、あまりに温厚な紳士面のあの人物、だから、s
のままの人間ではないという気はすうrが、その虚像を徹底的に
剥いだものとなっている。なんでも「出生証明」さえなかった、
これは英米法的だが、その生い立ちに非常にコンプレックスを持
っていたには事実。著者はFBIに徹底的に当たっている、それ
はディズニー自身が自らの出生を知るため、FBIに近づいたか
らでもある。ウォルト・ディズニーは極度の不安に駆られていた
という。そうは見えなかったが、

 カラー長編アニメ、『白雪姫』、「ダンボ」、「ピノキオ」な
ど、すべて孤児か、親と生き別れる設定であり、ウォルト・ディ
ズニー自身の暗い生い立ちが反映しているという。確かにそうだ。
だがそれはアニメに大きな魅力を与えている。幸福感ながら、根
底は暗い、悲しい、だからこそ魅力があったのだが。

 現実、ビジネスとしては結果は大成功でも、そこに至る道は
資金繰りからして容易ではなかった。スタジオから帰宅したディズ
ニーは、自宅内に設置の蒸気機関車にいつまでも乗っていたという。
その悩める暗い背中がここまで大いなる希望と夢を世界の子供たち
に結果的に与えようとは、である。現実との乖離である。それは誠
に皮肉だが、暗部がウォルト・ディズニーを偉大としたということ
でもある。没後もう58年か、・・・・・・。

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