「新型コロナ」をめぐる日中の報復の応酬は経済にはマイナスだが、「経済より感染予防」で本気?の日本人

 ダウンロード (10).jpg
 この度の日本の中国人の規制は基本的に「保守勢力」の圧力
によるものであった。それは純粋に「新型コロナ」を理由とす
るのではなく、あくまで中国、中国人への反感、悪感情がコロ
なを口実として噴出したものといえる。確かに中国の外交姿勢
、尖閣への侵入の常習化、台湾への武力侵攻の脅し、その海洋
進出の危険性などへの反感、が根強いゆえの反中国感情が日本
国内で頂点に達していた、と見ていい。習近平政権のゼロコロ
ナ政策の修正、中国国民のアピールが通じたことへの、日本の
メディアは好意的でもなかった。「これでまた感染が拡大する」
と本音での反中国感情が抑えきれなかったようだ、その直後の
中国人入国規制である。ただ、こちらがやれば同じことは報復
されるのが常である。

 やはり中国人の日本の不動産購入、風邪薬の類の爆買い、安
くなる一方の日本が中国人に思うままに買われることへの日本
人の警戒心が非常に強い、それが「中国人はコロナが危険だ」と
いう理由の大合唱となって、中国人入国規制を大きく後押しし
た。中国は同様に日本人の入国規制を発動した。

 この双方の入国規制の応酬が経済に与える影響である。ビジ
ネスでの渡航も、交流も規制されるから、最大の交易相手国の
中国だからその経済的影響はお世辞にも小さくはない。

 ただ、あらためて痛感するのはいまもってメディアで顕著だ
が新規の感染者数を日々、大々的に発表し、マスクの日常的使用
は緩和する見込みがない。反中国感情は保守層を中心に根強く、
岸田政権の中国人入国規制決定の大きな要因ともなったが、同時
に云えることはマスクだらけの異様な光景に象徴される日本人の
感情の思い込みの激しさである。もはや新型コロナへの過剰な警
戒感、感染対策意識が、「経済に悪影響が出ても仕方がない」と
いうほどに日本人に定着していることが重要である。

 世界でもまれな「鎖国」を続けた岸田政権は、「経済より防疫、
感染予防」というもはや後戻りができない、洗脳から精神構造の
中枢がその方向に向いて、もはや舵をきって方向転換自体が難し
いというにっちもさっちもいかない、精神の拘泥を証明している。

 コロナパンデミックの、端的に云うなら大袈裟報道は沈静化す
るよりむしろ、激しくなる一方である。洗脳とみなしても、つい
に国民性に暴走が「経済どころではない、防疫だ、命だ」という
者に定着していると思われる。さらに中国人流入による日本の
爆買いへの不安、それらが入り混じって、当分、入国規制の解除
は至難と思われる。

 ただこのような日本人の意識が経済面では大きなハンディとな
るのは中国に依存する割合が非常に高い日本経済にとって成長など
あり得ない状況となる。日本人が本質的に情緒的で思い込みが激し
く、それが慣習化しやすい、ことを考えても経済交流の途絶とまで
は行かないが停滞以下は日本経済の大きな問題となりつづける。
中国は今後、日韓より欧州、アジア、アメリカ大陸、アフリカ諸国
との経済交流を活発化する。日本の大きなジレンマというほかない。

この記事へのコメント