北朝鮮、宇宙開闢以来の悪を煮詰めた強制収容所国家、秘密警察国家

脱北された川崎栄子さんの発言などを聞いて、その北朝鮮
の内部を描いた書籍、最近では「北朝鮮強制収容所に生まれ
て」という映画DVDも見て、そのあまりの事態の深刻さ、酷
さに戦慄を覚えずにはおられなかった。まさに強制収容所国
家、秘密警察国家の極みであり、スターリン主義の粛清の嵐
のソ連でも、ここまでひどくはないだろう。川崎栄子さんが
「地上天国」ではなく「地上地獄」だった、というその言葉
は正しく真実ということである。「地上天国」の多少でも
要素があるのは日本の朝鮮学校、イルハッキョかもしれず、
現実の北朝鮮は宇宙開闢以来の悪を煮詰めた窮極の地獄であ
る。
第二次大戦で日本降伏ととも朝鮮半島お北半分をソ連が占領
、ソ連の衛星国たる赤化した国家の樹立を目指した。ソ連が
目星をつけたのはソ連極東軍の大尉であった金聖柱であった。
抗日軍事の実績はゼロの人物でありながら、抗日運動の英雄、
金日成キムウィルソンと同じ名前を名乗った。スターリン政権
下のソ連、スターリンの収容所群島、秘密警察国家路線は既定
の方針だったにせよ、其の後の歴史はあまりに酸鼻を極めた。
スターリンはしかし、この朝鮮半島の占領地域などに関心は
まるでなかったという。まあ、当然だろう、現地の軍の将軍に
一任していたわけで、別にソ連軍の将軍が収容所群島化、秘密
警察国家化を図ろうという老婆心はなかったと見るべきである。
最初から金聖柱がガチガチの共産主義国を、秘密警察国家を作ろ
うと考えていなかったことは事実、祖国分断は最初は全く考えて
もいなかった。1945年12月17日、金聖柱(キムウィルソン)は「
ブルジョワ民主主義を基盤に民主臨時政府、統一国家樹立」を
目指す方針を明らかにした。結果、米英ソ三国での「統一的な
民主臨時政府を樹立、5年間信託統治を行う」とのモスクワ協
定、この信託統治が南北で激烈な反対運動を引き起こし、そ
れまで無関心だったスターリンが、「信託統治はアメリカの提
案なのにソ連が悪者にされた」と激怒、もはや統一民主政府は
無理と考え、金聖柱、名乗って金日成に朝鮮臨時人民委員会
を結成させた。ソ連としては日本が朝鮮半島を平坦軍事基地化
しての侵攻の苦い記憶がある、どうしても衛星国が必要となっ
たのも自然ではある。
ともかく北朝鮮は朝鮮民主主義人民共和国として出発した、
その後は紆余曲折である。ともかく社会主義国としての発展を
試みたのは事実だ。最初から強制収容所、統制区域と秘密警察、
密告国家であったともいい難いそれが暗転したのは1,967年の
金日成、金正日親子のまさしくクーデター出会ったことは現在
では周知の事実だ。「敵は内部にある」の徹底である。金正日
は咆哮した「反党分派分子が狙うのは政権だ。分派分子はその
権力欲を満たすまでその分派行動を放棄しない、思想闘争や
思想教育だけでその野心を根絶やしには出来ない。・・・・・
歴史的に我が党内において最も憎むべき敵は、反党反革命分派
分子だ。彼らに寛容は一切不要であり、ただ仮借なき懲罰だけ
が必要だ」と。
これは中国の文革に対応したものかもしれず、金日成はその
独裁体制を堅固とするため、一切の同調した幹部、党員の大粛清
を始めた。1967年5月からの金日成親子のクーデター、北朝鮮版
文革がその後の強制収容所、秘密警察、密告国家化をもたらし、
絶望の経済の奈落へ転落した、また9万人以上の在日の帰還者への
迫害の開始宣言ともなった。
あの名高い舞踊家、崔承喜、その家族らが秘密警察に逮捕され、
強制収容所に送られ、結果はほどなく絶命した。このタイミング
であった。あの崔承喜が!と誰しも思うだろうが、強制収容所
に放り込まれたら栄養失調死が、悪条件による絶命が必ず待っ
ている。崔は1969年に死亡したという。

その強制収容所、統制区域と呼ばれるが、北朝鮮の山岳地方に
設けられた一大強制収容所である。高圧電流が流れる柵、何か所
もある監視塔、秘密警察犬!鋭くとがった竹が林立の落とし穴、
一度入れられたら生涯出られない、
最近の映画「北朝鮮強制収容所に生まれて」
北朝鮮の政治犯強制収容所第14号管理所で、政治犯の両親の“表彰結婚”の結果として生を受け、生まれながらの政治犯として育った申東赫(シン・ドンヒョク)。「北朝鮮強制収容所に生まれて」は、2005年、収容所から脱出して現在は韓国に暮らすシン・ドンヒョクの想像を絶する半生と、北朝鮮強制収容所の実態を、本人へのインタビューをもとにドイツ人監督が描きだしたドキュメンタリーです。映画は脱北した元北朝鮮の秘密警察員オ・ヨンナムと、虐待、拷問、処刑を行っていたクォン・ヒョクにも取材。衝撃的な内容に、世界の映画人が驚きの声を上げた作品です。
[第14号管理所について]
14号管理所は“完全統制区域”で、1つの都市ほどの大きさを持ち、500㎢に4万人が収容されている。首都平壌の80キロ北、平安南(ピョンアンナム)道の价川(ケチョン)市外東(ウェドン)里に位置するこの管理所の中には、炭鉱、セメント工場、セラミックやゴムの加工場、縫製工場のほか、牧場もある。食事は粗末だ。1日につき、大人700グラム、子供300グラムのトウモロコシと、ごく少量の白菜の塩漬けだけである。最厳重警備の“完全統制区域”では、収容された人々は決して釈放されない。死ぬまでそこに閉じ

密告は家族にスパイ容疑がかかると連帯ですべてがスパイと
見なされる、それで自分だけは生き延びるため、ということで
ある。帰還事業と同時進行といってよい日本人拉致、確かに
宇宙開闢以来の悪、悪意を煮詰めた窮極国家が北朝鮮だろう。
これからもこの国は存在し続けるのである。
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