中国、偵察用気球を撃墜され「強烈な不満」盗人猛々しいとはこのこと、米中対立は尖鋭化

古来「盗人猛々しい」とはよく?使われる諺、というかフ
レーズであるが、他人のものを盗んだ泥棒がバレたら逆に
被害者に逆に居直って因縁をつけ、食って掛かるというよう
な意味合いだが、この度の、アメリカ上空での中国の偵察用
気球が撃墜されたことへの中国の反応がそうだ。中国がいう
には「民間の気象用気球で、これを過剰反応で撃墜したこと
に対し、強烈な不満を表明する」というのだが、まことに
、これぞ盗人猛々しいというものである。本当に民間の気象
用の気球ならずっと前からそういえばいいが、全く秘密にし
ていて、撃墜されて「民間の気象気球」、言い逃れにしても
、「強烈な不満」だから偵察用気球と告白したようなものだ
ろう。
三年前か、日本の東北に、正体不明の気球が浮遊していて、
日本政府はそのまま実態を知ってか知らずか「不明」で終わら
せたが、これも中国の戦略拠点偵察のための気球であることは
今回の件で証明されたわけである。
気球はローテクのようだが偵察衛星の補完として使うなら
全く十分な実用価値を持つ、目的の上空に長時間滞在ができる
し、レーダーなどに補足されない、雲などの障害をクリアーし
やすい、コストが安い、かって偵察機U2以前は偵察に気球使用
は当然のことで多用された。
日本は戦前、風船爆弾というかなり傑作な秘密兵器を数多く
製造し、米本土に向かって飛ばした。結果は枝に引っかかる
気球を遠足のアメリカ小学校生徒が触って爆発し、死者を出し
たその一件が日本から見た「戦果」だった。それに比べたら
気球を偵察に使うのは攻撃用より遥かに適切な利用法である。
ともかくもこの偵察気球の一件は米中対立をさらに冷やし、
対立が先鋭化する契機とさえなり得る。米国務長官の訪中も
急遽、中止された。報道も「中国は関係改善を念頭に置いて
いる」というものもあるがBloombergによると
米国本土を飛行した中国の気球をめぐり、当初は遺憾の意を
表明した中国だが、その後、態度を急変させ、米国への報復を
警告した。習近平国家主席が強いリーダーシップで外圧に立ち
向かう姿勢を示す必要があるという国内事情を反映している。
・・・・であるが、「強硬的な外交姿勢は常に正義」という
のは普遍的な考えであり、中国がアメリカに穏健で協調的な姿
勢いを示すことはメリットなし、と判断するのは今後も継続す
ることは確かだ。国務長官訪中で米中の衝突回避のための具体
策が議論されることも消えてしまった。なんともキナ臭い空気
に満ちている。中国は強硬姿勢をますますエスカレートするだ
ろう。
それにしても、勝手に気球で領空侵犯して反発し、強硬姿勢
をエスカレートで報復を警告では、:まさに盗人猛々しいと云
わねばなるまい。米中対立は好転の兆しはまったくない。
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