中国の台湾(中華民国)分断作戦は無意味、香港の一国二制度の国際公約を破ったツケ
中国、中共政府はほぼ最初から武力での侵攻、脅しと懐柔
作戦、微笑作戦を併用してきた。基本は武力行使はためらわ
ない、いつでも「武力解放」を行う、それは最初から一貫し
ている。いまだかって「武力侵攻は行わない」と言明したこ
とは一度たりともない、習近平政権になってから中国の軍事
力の拡大が著しく、軍事的な侵攻作戦の脅しを絶えず続けて
いる。しかも徐々に大規模化している。最近ま国民党の代表
が上海を訪問、また上海市幹部が台湾を訪問、空港は統一派
と独立派が集結、騒然とあったという。
今、1956年の時点、昭和31年の中国、台湾情勢を論じた日
本国内の雑誌を見ると
Q:中共はこれまでアメリカをえげつなく攻撃し、台湾の武力
解放を繰り返していたのに、ここに来て急に猫なで声になった
理由は?
A:新中国建設の頃から中共は力みかえり、国内問題での難問
解決、対外的には朝鮮動乱と騒々しい時期だったが、同時に台
湾の解放がないと中国の真の統一はない、軍事力の行使で脅し
ていたが、時代はスターリンも亡くなり、平和共存へ、そこで
やらないとは言わないが台湾の武力解放はやむなく棚上げ、同
時に台湾への呼びかけも高圧的な「帰順韓国」から「蒋介石以外
の全ての人の大陸帰還」という一種の微笑作戦を併用することと
なった。
Q:台湾側はまた周恩来らがウソをついていると思っているので
しょうか?台湾は拒否してますね。
Q:中共は台湾がすぐ統一案に飛びついてこなくてもいい、この
微笑作戦での提案が台湾内部に国論の分裂を生じさせ、内部の動
揺させたらそれでいい、だけでしょう。
このような状況が1956年当時、それ以前からだから中国の基本
は軍事力行使は必要と思えばいつでもやる、だが簡単には行くはず
もないから、まずは台湾の国論分裂を誘い、「どうせアメリカも助
けには来ない、国交だって断絶したじゃないか」と内部動揺を誘う
実は古来の作戦の発動である。
中国の軍事力の脅しは、いつでもやると云って、台湾を巧妙に
内部を分断し、動揺させて実質的な帰順を狙う、ことであるが、こ
こで大きな問題はもはや「一国二制度」を持ち出せないことである。
習近平といういたって偏狭な独裁主義者を中国が担いだ、ツケとい
うわけである。
台湾が現在の自由主義体制、資本主義、思想言論の自由、などが
中国に「帰順」したら間違いなく失われる、ということは確かなの
だから台湾の「統一派」も致命的な弱点があるわけである。軍事力
の差は圧倒的、「だから戦う前に諦めろ」と云う中国の手法は延々
とこれからも続くことは確か、である。ここで問題はアメリカの外
交姿勢である。基本は「あいまい戦略」であり、中国の軍事侵攻が
あれば台湾防衛を行うという保証までは与えてはいない、そこに
中国がつけ込む、わけだが、さりとて一国二制度の国際的公約まで
平気で破る中国を信用はできないし、自由主義を捨てるのは耐えら
れないことは確かである。
現状の中国のいやらしい硬軟取り混ぜた圧力、作戦は今後も続く。
中国が武力侵攻は行わない、と言明することはなく、軍事的脅しは
強大化するだけある。さりとて中国の制度に呑み込まれるのは台湾、
中華民国の国民は絶対に認めないだろう。
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