宝塚、懐かしの写真館(272)『桃花春』1939.昭和14年4月、大劇場公演


 『歌劇』解説では、・・・「桃花春」は果然「トウランド
ット姫」を凌ぐ傑作として、四千人を容れる宝塚大劇場を連日
満員で埋めました。まさしく白井鐡造先生の戯作であるのみな
らず、宝塚近来での大ヒット作となりました。我が国レヴュウ
の最高水準を示すものといって過言ではありません。宝塚を
語るもの、凡そ、我が国の演劇に関心を持つ者は、日本が音楽
劇の領域において、かかる世界的傑作を持ったことを誇りとい
たします。

 配役

  朱々 初音麗子

  友人その一 園井恵子

  鈴々 大空ひろみ

  老人 秋風多江子

  友人二 泉川美香子

  車夫 梢音羽

  龍生の母 尾上さくら

  美花 海原千里

  龍生  葦原邦子

  金麗  櫻 緋紗子

  歌手 星影美沙子

  友人三 明海陽子

  
   園井恵子 商人

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   大空ひろみ   鈴々

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   葦原邦子  龍生

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   櫻 緋紗子

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  櫻 緋紗子、白井鐡造、葦原邦子

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  『桃花春』グランドフィナーレ

 松島喜美子、初音麗子、大空ひろみ、海原千里 など

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 葦原邦子 『桃花春』舞台日記 抄

 龍生は、フレドリーの情熱とアンリのの懐かしさを思い起
こす。久々の白井先生の大レヴュウ、歌を一杯に謳う。、も
うそれだけ十分です。

 希望に燃えて桃花咲く丘に春を歌う若者、龍生は、可憐な
村の乙女、美花の涙も振り切って、さらに大きな都会に出て
いき、平和な村を去ります。そして様々な人生を味わい尽く
し、再び、花咲く故郷へと返ってくるというお話です。

 花道から舞台への桃の木の下まで、私は、さぁ、これから
だ、というような気持ちを隠して悠々と歩きます。ところが
、一度、この龍生は腕を組んで悠々とあるきすぎたせいか、
見ていたお友達が、「あんまり威張っているようでイヤに
横柄の極み」と心配してくれました。しまった、と考え直し
ました。・・・・・・

 人間の世界に絶望した龍生は仙人になる修行を、絶対に
声を出さないという条件でやらされますが、最後に目の前
で両親がひどい目に合う場面で、流石に芝居でも残酷だと
思って辛くて、鞭打たれる音ごとに体を固くしてしまいま
した。

 

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