総務省の放送法についての行政文書、「捏造」の可能性は限りなくゼロである
事態は周知のとおり、高市早苗議員が「あの文書は捏造だ、
もし事実なら辞職する」と大見えを切ったのだが、現実問題、
あの文書が「捏造」された可能性は限りなくゼロであろう。
常識的には官僚が「捏造」は、ましてこの文書を捏造は官僚
に何一つメリットもなく、その可能性はあるはずない。だが
、高市早苗議員の発言からすれば、「ああ、やっぱり世間常
識では悪いことだ」と自覚している、と自ら証明したようなも
のだ。
それにしてもだ、第二期安倍政権は驚くべき、言論への介入
を行った。第二期安倍政権を生み出したものが「日本会議」で
あったことで、テレビ番組の「私物化」と同時にリベラルで政
権に多少でも批判的スタンスをとるテレビ番組、そのニュース
キャスターを降ろさせるなど本当にその民主主義国家ではあっ
てはならない、というより、首相官邸が直接、ニュースキャス
ターにクレームをつけ、降ろさせるようそのトップに圧力を
かけるなど、まず北朝鮮は論外として、通常はまずお目にかか
れそうもない暴走の極みであった。また全国紙トップとの会食
を繰り広げ、メディア支配、御用化を露骨に推し進めたのは
明らかであり、単に不見識で済まされるような話ではなかった。
他方で、自らはテレビ番組を私物化し、大阪の読売テレビの
右翼番組、やしきたかじん司会だった「そこまでいって委員会」
などにもたびたび出演、右翼論客そろいのレギュラーと昵懇を
天下に示した。また「芸能人利用」も第二期安倍政権、安倍総
理の大きな特徴で、「桜を見る会」にも多数の芸能人を招待、
右にぶれるよう、巧妙に取り計らった。個々の番組も当時は、
「日本は素晴らしい」をコンセプトにして「外国にも四季はあ
る」との発言すら禁句とされた。NHKの大河ドラマ、2015年の
幕末から威信を取りあつかった番組「花燃ゆ」でも脚本にまで
官邸が介入し、個別のセリフすら安倍流に作為され、例えば「
とにかくどんな反対があろうと変えにゃ、いかんのだ」とのセリ
フさえ官邸の圧力下に作られたとかいう。アメリカとの衝突も
フランスとの衝突に変えさせられた。
とにかくあの当時、ミニファッショ、という言葉がよく使われ
たほど右傾化を極め、まず世界的にも類例を見出しがたい、官邸
の番組介入が日常化した。その中で「放送法」の「政治的偏向」
も政権に批判的なニュース番組、キャスターを槍玉にあげて、そ
れをもって放送局の「政治的偏向」と決めつけ、当時の高市総務
相も、権に完全に従属する方向を明言する国会答弁を行っていた。
要するに当時はもう熱に浮かされたような安倍晋三ファッショ
の激流というものであり、政治的偏向も政権に不都合なもの、と
云う意味合いで解釈し、他方でテレビ番組の私物化、利用を強引
に推進していた。
……だが科総務省が公開の「政治的偏向」をめぐる放送法の議論
も、いたって当然の、あの当時のミニファッショの中で当然出たよ
うな発言である。「捏造だ」それはやはり高市議員があのような
発言は悪いと自覚している、という証拠にこそなれ、現実捏造など
あるはずはない。「なら証明しろ」と云われてもどうしようもない
が、常識で判断すればいいことだ。
やれやれ、岸田にも火の粉が飛ぶぞ、ミニファッショのつけは大
きいわけである。
この記事へのコメント
辞任したくないからであろう。私は総務省が公文書であることを認めないこともありうると考え小西議員やその関係者と総務省本省の役人との電話連絡箋と応接記録を情報公開請求で請求した。 徒労に終わるか、下手をすると議員と官僚が省外で文書のやり取りをした証拠として故西山記者のように官僚が罰せられる可能性もあり、もう少し時期を待てばと反省しているが電話連絡箋の文書保存期間が1年未満であることから急いだ。
日本では藩閥政府の讒謗律の頃から言論弾圧とメディアの政府への協力が当然視されている。水戸学の祭政教一致思想で行政が住民に教(特定の政治思想)を押しつけることを当然視、むしろ行政の責務と宣布して以来の積弊。