ジェームス・ヒルトン『学校殺人事件』1931,非常に文学的な探偵小説
James HIltお
ジェームス・ヒルトンといえば『失われた地平線』、『
チップス先生、さようなら』で日本人にも非常によく知られ
た作家である。『失われた地平線』は1933,『チップス先生』
は1934,で1931年にグレン・トレバー名義で発表されたのが
『学校殺人事件』Murder at Schoolであっる。翻訳書もある。
レベルという青年はオックフォード大学を出て、親の残し
た財産でなんとか、ロンドンで下宿生活を続けることが出来
ている。実はいつかは文学で身を立てたいと考えている。
その彼のところに出身校であるオーキントンという高校の
校長から手紙が来る。学校で厄介な事件が起きたので何とか
力になって欲しい、というのである。レベルは大学在学中も
、図書館所蔵の貴重な肉筆原稿が紛失した事件を見事に解決
し、卒業生仲間では立派な素人探偵としての評価があった。
校長が頼んできた用件とは、寄宿舎の寝室で天井からガス
灯が金具もろとも落下し、その真下にネていた生徒が即死し
たというのである。偶然な事故とも思われたが、他殺だった
という噂が流れた。それを目立たないように真相を究明して
ほしいと云うものであった。
校長は実は教育者としての経歴はなく、医者から実業家に
なった男であり、その経営の才を見込まれてであった。この
校長が引っ張ってきた先生にエリントンという男がいる。いた
って陰気で人づきあいが悪い。だがその妻は、大変な美人で社
交家である。それでレベルも心が動揺したくらいでらう。エリ
ントンは死んだ少年の従兄である。
レベルが学校中を歩き回って調査を本格的に始めると、肝心
の依頼者である校長が冷淡になった。早く学校からで出て行け
とでも云うような態度だ。仕方がないのでレベルはロンドンに
帰った。
それから半年後、先に死んだ少年の兄が、同じ学校で惨死を
遂げる。夜中に泳ごうとプールに飛び込んだら水がなく、頭を
割って死んだというのだ。その事件が新聞に載ると、レベルは
今度は自分からその学校に行った。この兄弟二人は孤児で、相
当な遺産を受け継いでいる。二人が死ねがその財産はエリント
ンに入るのである。疑いは彼にかけられた。
しかしもうひとり、ランボーンという変わり者の先生がいる。
ランボーンがレベルに近づいて色々説明する。だが彼にも疑わ
しい部分がある。このランボーンがある朝、睡眠剤を飲みすぎ
て死んでいるのが発見された。ランボーンの死については校長
に疑惑があった。その後、プールで死んだ少年の頭から拳銃の
弾丸が見つかった。警察も捜査に乗り出した。
犯人は誰か?警察からは有能な刑事が二人派遣される素人探
偵のレベルは今度は自分が犯人から狙われそうになる。その偶
然から犯人が逮捕される。
だが流石にレベル青年の推理の働かせ方、ムダもなく、奇抜さ
もない。それにしてもイギリスの学校の内部の描写が実にいい。
翻訳文が悪すぎるのでどうしようない部分があるが。翻訳はかなり
ヒドイと云うが、原文は見事だという。

ジェームス・ヒルトンといえば『失われた地平線』、『
チップス先生、さようなら』で日本人にも非常によく知られ
た作家である。『失われた地平線』は1933,『チップス先生』
は1934,で1931年にグレン・トレバー名義で発表されたのが
『学校殺人事件』Murder at Schoolであっる。翻訳書もある。
レベルという青年はオックフォード大学を出て、親の残し
た財産でなんとか、ロンドンで下宿生活を続けることが出来
ている。実はいつかは文学で身を立てたいと考えている。
その彼のところに出身校であるオーキントンという高校の
校長から手紙が来る。学校で厄介な事件が起きたので何とか
力になって欲しい、というのである。レベルは大学在学中も
、図書館所蔵の貴重な肉筆原稿が紛失した事件を見事に解決
し、卒業生仲間では立派な素人探偵としての評価があった。
校長が頼んできた用件とは、寄宿舎の寝室で天井からガス
灯が金具もろとも落下し、その真下にネていた生徒が即死し
たというのである。偶然な事故とも思われたが、他殺だった
という噂が流れた。それを目立たないように真相を究明して
ほしいと云うものであった。
校長は実は教育者としての経歴はなく、医者から実業家に
なった男であり、その経営の才を見込まれてであった。この
校長が引っ張ってきた先生にエリントンという男がいる。いた
って陰気で人づきあいが悪い。だがその妻は、大変な美人で社
交家である。それでレベルも心が動揺したくらいでらう。エリ
ントンは死んだ少年の従兄である。
レベルが学校中を歩き回って調査を本格的に始めると、肝心
の依頼者である校長が冷淡になった。早く学校からで出て行け
とでも云うような態度だ。仕方がないのでレベルはロンドンに
帰った。
それから半年後、先に死んだ少年の兄が、同じ学校で惨死を
遂げる。夜中に泳ごうとプールに飛び込んだら水がなく、頭を
割って死んだというのだ。その事件が新聞に載ると、レベルは
今度は自分からその学校に行った。この兄弟二人は孤児で、相
当な遺産を受け継いでいる。二人が死ねがその財産はエリント
ンに入るのである。疑いは彼にかけられた。
しかしもうひとり、ランボーンという変わり者の先生がいる。
ランボーンがレベルに近づいて色々説明する。だが彼にも疑わ
しい部分がある。このランボーンがある朝、睡眠剤を飲みすぎ
て死んでいるのが発見された。ランボーンの死については校長
に疑惑があった。その後、プールで死んだ少年の頭から拳銃の
弾丸が見つかった。警察も捜査に乗り出した。
犯人は誰か?警察からは有能な刑事が二人派遣される素人探
偵のレベルは今度は自分が犯人から狙われそうになる。その偶
然から犯人が逮捕される。
だが流石にレベル青年の推理の働かせ方、ムダもなく、奇抜さ
もない。それにしてもイギリスの学校の内部の描写が実にいい。
翻訳文が悪すぎるのでどうしようない部分があるが。翻訳はかなり
ヒドイと云うが、原文は見事だという。
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