日本、ますます深まるニセ酒文化、「美味しんぼ54、日本酒の実力」から事態は悪化
かって大きな話題を呼んだ「美味しんぼ・第54巻」日本酒
の実力!であるがあれから自体はどこまで改善したのだろう
か?ネットで「醸造アルコール」、「三増酒」などを検索し
てサイトを見ると醸造アルコール使用の正当化、賛美ばかり
のサイトが出てくる、しかも酒造の会社のサイトだ。「サト
ウキビ、トウモロコシなどの発酵させてのアルコール添加へ
の偏見を正さなくてはいけません」など、情けないサイトば
かりだ。無論、それは戦前からの米不足、安い原料から醸造
のアルコールで度数調節、コスト削減、酒自体が増量できる、
国税は酒税しか考えず、それらを推奨、かってな基準で「
一級、二級」などとランク付け、の醜態。確かに日本酒はあ
まり飲まないのだが、まるで小学校で理科の実験でつかった
かのような、風味もない、ツーンという工業製品のようなアル
コール臭、本当に日本酒は不味くて悪酔い、一度飲めば飲まな
くなった、という思い出しかない。
「美味しんぼ」54巻からセリフを抜粋させていただくと
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海原:今こここに並んでいるのは日本酒で一番高級な大吟醸酒
と吟醸酒ばかりだ。しかし、ご覧の通り、むき出しのまま棚に並
べてある。
ワインは温度と湿度似敏感だ、だから店内でも最大限の注意
が払われているのだ。特に湿度が高すぎるとワインはたちまち
死んでしまう。
大吟醸酒、吟醸酒が本物の日本酒なら、こんな環境で何日も
置いておいたら確実に品質が低下する。士郎、最近の日本酒の
出荷の内訳は?
士郎:吟醸酒は3.9%、純米吟醸酒1.6%、純米酒は4.1%、
本増醸酒が15.2%、普通種が76.7%となています。
海原:さらに日本酒を希望のないものにしているのは、特撰、
上撰、佳撰などとラベルにある。
士郎:以前は日本酒は特級、一級、二級と、。まず出来上がっ
た日本酒は全て二級、酒類審議会の審査を受けて特級、一級など
、認定されたら酒税が数倍に、1988年二これは廃止になり、以後
はアルコール度数が一度上がるごとに酒税も上がることになった。
それも廃止されると酒造会社がかってに特撰、上撰などと付ける
ようになった。その基準はあってないようなもの。
・・・さすがに酒造組合は「白糖糖化液」を使用した時、「
醸造用糖類」という添加を表示すると定めたが、逆に使ってい
ないという表示は認められていない、
いくつかの酒造会社は三増酒を作るのは辞めたと宣言したが、
業界全体では醸造用アルコール使用量は減っていないアルコール
の添加があるから糖類の添加も生まれてくる、しかも添加される
アルコールはサトウキビの廃糖蜜を発酵させたもの、砂糖を絞っ
た残り滓だ。食用にならない廃物を日本酒用に使っている、安く
できるからです。匂いが出やすいから徹底的に精製する。だから
日本酒は風味もコクもない、一見日本酒風アルコール飲料でしか
ないんです。
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ところでビールは発泡酒、第三のビールなどがある。第三の
ビールはリキュールに分類されているのかどうか、ビール風アル
コール飲料である。これも発泡酒賛美で「カツオ成分を入れて独
自の風味」とかいうものもあるそうだ。
日本酒の歴史はひどい、国税の酒税優先、中身不問のお役所
支配で散々、歪められ、さらに廃棄物のサトウキビ利用の「醸造
アルコール」添加、
ビールの発泡酒、第三のビールは日本人のニセ酒趣味、いろん
な添加物で独自の風味、という意味合いもあるが、日本酒の場合
はとことん、業界の、お役所の都合での歪められたニセ酒である。
欧米ではコールタールのような廃糖蜜を錆取りで使う、とに記述
があるが日本では日本酒製造に大量使用である。
しかし日本酒が酒文化の精華といえるのは日本酒の製造過程の
類を見ない緻密さだ、ワインはたるに葡萄を入れておけば自然に
発酵する、日本酒は米をのでんぷんを糖に替えねばならない。そ
のプロセスはワインより遥かに複雑である。穀物から酒となると
ビールのようにアルコール度数の低いものか、ウィスキーのように
それを蒸留させて度数を上げるかになる。米を原料にしての酒造り
は世界的にも酒の芸術、というべきだろうが、現実は見ての通りで
ある。サイトを見ても滔々と「醸造アルコール」添加の利点を喚く
ものばかりだ。
ワインはフランスの文化ゆえ、その品質を守るための厳しい
規定があるし、ドイツはビールが酒文化だが、麦芽100%でな
いとビールは絶対に名乗れない。日本のような大甘な規定はな
いのである。大甘と云って税金ではなく、本物か、ニセ物かと
いう文化の誇りである。
昨年10月、京都の菊乃井本店で会食したが、冒頭、女将の村田
京子さん、「京都で乾杯は必ずん日本酒と決められています」と、
それが純米酒でなければ意味はないと思うのだが。
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