宝塚、懐かしの写真館(299) 『五十番街の少女達』1938、中劇場、東宝劇場 星組公演
主役のテリーには特に花組の萬代峯子が残留し、中劇場で
見せた渾身の演技を今度は東宝劇場でお見せいたします。
舞台を生命とする少女たちの悩みと喜びを描いた「五十番
街の少女達」における出演生徒の境域的な熱延を通して、同
っじく舞台を生命とする宝塚少女達の真剣な心意気に触れる
に違いありません。中西武夫作、振付
キャスト
ラリイ:倭 ひふみ
ランダルの父:園井恵子
ルイゼ:大空ひろみ
グレーツル:秋風多江子
キングスレイ:月影笙子
小マリー:泉川美智子
大マリー:八重春代
フランク:梢音羽
オルコット夫人:尾上さくら
ベルニス:松島喜美子
ケイ:海原千里
ミセス・ショウ:明海陽子
デベロウ:花影絹子
エレン:牧川文子
マティ:海路はるか
サム:瀧いずみ
ケイト:葦原邦子
ジーン:櫻緋紗子
歌手:八千草露子
スザン:玉野ひかり
テリイ:萬代峯子
ジュディス:紀昌子
ボビイ:東雲千鶴子
パット:霧野都
トニー:神杉幾代
アン:青井このみ
海原千里:ケイ
萬代峯子:テリイ
葦原邦子:ケイト
脚本 抄
第一景
ニューヨークの西部五十番街といえば、盛り場に近い下町
です。場所柄、ここには華やかな舞台の成功を夢見てニュー
ヨークにやってきた若者たちが多く巣くっています。昔は
舞台女優だったオルコット夫人の軽家のクラブにも、そうし
た成功を夢見る女優志願の娘たちが数多く止宿しています。
ペルニス、オルガ、大マリイ、小マリイ、マデレーヌ、ジュ
ディス、リンダ、ジン、ボビイ、スザン、それにルイゼやテ
リイも皆、舞台での成功を夢見ている五十番街の少女たちで
す。が華やかな理想に反し、彼女たちには失業苦、焦り、
絶望、惨めな日々が繰り返されます。・・・・。
ケイト:君は誰?
テリイ:あんたは誰よ
ケイト:君は女優だな
テリイ:あなたは?
ケイト:僕はケイトブルゲスだ
テリイ:あら、そうなの
ケイト:僕を知らないのかい
テリイ:知ってるわよ、劇作家でしょ、『血と薔薇』って
芝居を書いた人よね。十四番街でやったけど失敗だ
ったわね。一週間で終わったわ、・・・・・
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