宝塚、懐かしの写真館(304)『独逸少年献金隊』昭和14年2月、雪組公演、東宝劇場


 戦争の深く関わった宝塚少女歌劇らしい、ここまでの戦時色
は容易に他の演劇に見出し難い、ほどではある。小林一三校長
の近衛内閣入リという政治への深入である。宝塚少女歌劇もそ
の演目は非常に日独伊防共協定に翼賛の内容が多く、実際、劇
団の独伊訪問、ヒトラーユーゲントらとの交流など、その過剰
な肩入れは目立った。それに沿う『独逸少年献金隊』公演であ
る。

 〈解説〉現在の日本におけると同様、独逸においても大戦中
金の献納運動が盛んであった。これは当時、ベルリンに起こっ
た実話に取材したおペレットであり、その時局性と道徳性によ
り、昨年、昭和13年10月中劇場での初演に置いて絶賛を受けた。

 金を国に献納しなけっれば、独乙(変わった漢字が当てられて
いる)は戦争に負けてしまうと校長先生から聞かされたロベルト
少年は、家に帰って金はないかと、両親に尋ねたが、もとより
貧しいロベルトの家、そんな金などなかった。

 ロベルトは国に尽くすことが出来ないと悲しみ、友だちに聞
いても皆出来ないという。そこで本で読んだアラスカでの金脈
探査、であったが、・・・・・。

 配役

 アナウンサー  大空ひろみ

 総理大臣    秋風多江子

 警官      泉川美智子

 労働者     八重春代

 ロベルト    松島喜美子

 ハンス     海原千里

 ヘルベルト   明海陽子

 校長      花影絹子

 父親     朝緑澄子

 女教師    海路はるか


  花影絹子  校長

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 松島喜美子  ロベルト

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 泉川美智子  警官

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