広島空港の絶望的アクセス、立地の決定の経緯を考える

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 現在は三原市になった旧豊田郡本郷町に新広島空港は建設
された。その立地の決定は厳密にいつだったか知らないが、
1970年代中頃?か多少以前、の気がする。1977年頃、当時
、広島県第3区、中選挙区だったが「亀井静香」が暑中見舞
い?だったか「現在、新広島空港建設に向け、全力で邁進し
ております」と印刷してあったからだ。その頃はもう決定し
て「「亀井静香」が建設に向け、邁進、という状況だった。

 亀井静香は警察官僚出身だが、政治家となってからは運輸
族という色彩を強めた。また兄弟に旭化成重役がいて産業関
係にも強く、企業誘致にも長けていた。メインの本拠の県北
の庄原市に旭化成を誘致した。「誘致」に強い政治家だった
が、旧広島3区は東部であり、そこへ新広島空港誘致はまず
不可能、つまり広島県とは圧倒的な存在感の広島都市圏が最
西端という位置にあり、それからかなり落ちるが福山市が
東端という位置で、・・・・・・では県全体を考えて、新
広島空港は?もちろん現実の利用客数、必要度からすれば
広島都市圏に近接、でなければならないが、

 まず広島県には空港の適地が極端に乏しい、という現実が
あった。完全な山がちな県で広々とした平地は乏しく、多少
の平地は既に利用され尽くしている。なら海面を埋め立てて
、旧広島空港の「沖出し案」だったが、これも牡蠣養殖など
の海面利用とバッティングする。埋め立てはできない、海面
も陸地に近い海域は利用されている。

 なら?山地を平地化出来る場所、だがこれも容易ではない。
広島都市圏に近く、東方の山地なら望ましいが、、今で云う
東広島市あたりで、とは誰しも考える、考えた、・・・ここ
で広島県の意見として県民全体が利用しやすい立地、である。
広島市と広島県は何かと対立関係にある。さらに亀井静香で
ある。運輸族ともなっていた亀井静香は選挙区の3区に隣接
の豊田郡本郷町への立地決定の、いわば原動力となった。ま
た当時の広島県知事が宮澤喜一の弟の宮澤弘で、どうしても
備後寄りで県の中央的な位置に傾きやすかっ゙た。

 距離から云えば、札幌中心部から新千歳まで48.4km、
広島駅から広島空港まで48・8kmという。ともに「中心部」
から遠い空港だが、札幌から新千歳は完全平地であるが、
広島市から広島空港までは、まさに「山の国・広島」を痛感
させる山地、また山岳的要素もある急峻な山道ばかりであり、
る。札幌から新千歳は一直線の鉄道があるが、広島空港には
ほぼ鉄道は使えない、山陽線の白市駅利用もあるがそれ向け
の運用もない。平地でも50kmは遠いが、あの超山道の50kmは
あまりの、広島市内からだが、障害である。ちなみに岡山駅
から岡山空港までは18kmである。

 広島空港は中国地方の拠点空港で国の管理の第一種空港
だがトータルでのアセスは悪すぎる。新幹線と勝負できず、
悪天候の影響を被りやすい。新幹線は東海道線の一箇所で
雨量が基準超えなら即座に山陽新幹線も影響を受けて運休と
なる。だが新幹線の代替に広島空港は使えない、広島都市圏
の大きなマイナス面である。政治力で決定だったが、広島な
らではの制約が多かった。

 知人が広島空港に、バスでまず福山へ、バスから携帯で
「今ものすごい、山の中を走っています」

 割り切れば広島空港は広島都市圏に近くに建設、広島県
東部は岡山空港の利用も勧めるという選択もあったと思う。
現在の位置、もう変えようはないが、本当に広島都市圏の
悲劇である。

この記事へのコメント

killy
2023年08月18日 15:36
広島空港は、矢掛から利用すれば高速道路から便利です。
便数は多く、矢掛で公演される方々は役場の公用車で広島空港から矢掛まで送迎していました。約1時間。
県南西部の地域はわかりませんが、ツアー出発が広島空港なら利用する程度でしょうか。