超高齢化社会、歯はズバリない方がいい、潔く義歯を

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 タイトルはそう書いたが、ことは単純ではない。歯がない
、といって残根が残っているかどうか、その残根に歯冠補綴
がほどこせるかどうか、という問題はある。歯冠補綴に使え
た残根も繰り返される咀嚼圧で残根は破折したり、摩耗する、
結果、残根に補綴をほどこす、金属か樹脂で支台歯をたて、
補綴もできなくなっていく。確かな残根を利用してのブリッ
ジも高齢んなるとブリッジの支えの歯も崩壊してゆく。

 残根はそれでも有った方がいい、というのは残根がなく
なると顎骨の歯槽骨部分が消失し、口がすぼみ、「老人性
顔貌」となるからだが、残根もなくなる運命だからこれも
義歯で補える。
 
 どうしても語るべきはインプラントである。「世の中に
これほど人間がいて、超々高齢化社会だ。歯は失われてゆくし、
多くは義歯をいやがるから、インプラントになびくものは多い。
やって痛くて噛めない、と裁判されても判例で必ず歯科医は勝
てる。かめても痛くて噛めない、苦しみのみ、でもいちどやっ
たら自費の多額の利益になる、いちどやってくれたらいい、そ
れで十分、インプラントをやる歯科医には宝の山が控えている」

 ということらしい、ダメでも裁判されても平気、一度やって
くれたらそれでいい、高齢者の数は際限もない、若い人間だっ
てやりたい奴は結構いる、・・・・・

というのだがインプラントはいかに「保険適用」にもなって
「確立された治療法」だと言う主張は誤りである。「保険適用
」になって人を不幸にしかしない薬、療法はいくらでもある。

 義歯は難がある、でも難があれば外せる、貧相になった顎骨
に埋め込むインプラントで生涯、気分良く暮らせる可能性は非
常に低い。神経麻痺、いつも痛く気が狂いそう、だが原理的に
無理があるものをどう細工しようがいい結果が得られる可能性
は低い。

 東京などは芸能人、金持ち!が多いからインプラントに乗る
人間はさまざまな階層で多いが、やてしまえば抜去しても顎骨
の回復はない、副鼻腔炎の炎症は容易ではない。

 無論、全てはご自由だが、泣きを見るのは患者さんだ。金を
失っただけなら、まだいい、、発狂の思いから生涯、逃れられ
ない、というなら地獄である。

 高齢者の最大の問題は健康、お金、孤独、それはそうである。
健康の中でも、「歯」である。歯こそ最大の問題である。救い
は歯を喪失後、潔く、義歯、なれることだ。上顎はいいとして
も下顎義歯は難しい面がある。残根もなくなると顎骨が消退す
る。義歯を固定するほどの顎堤がない、無論、「金ならいくら
でも出すからインプラントを」という行動に出る、出る人は実
際多いのであるが、顎骨が貧相化の極みではどうにもなるまい、

 何が人を高齢者となって救う?やはり臨機応変の義歯、と
口蓋途絶を利用しての咀嚼補助、さらに嚥下の重要さ、喉を
鍛えることである。歯だけが問題ではない。喉である。これ
を鍛えないものは「誤嚥性肺炎」で死に至る。喉の鍛錬と一
体化した義歯の利用、独自の咀嚼技能である。

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