山上容疑者の大願成就?旧統一教会、宗教法人解散命令だが、宗教団体は自由、興味深い右翼の共食い現象

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 山上徹也容疑者は結果的に日本政府をも動かし、旧統一
教会、現在は世界統一家庭連合の宗教法人としての認可を
日本政府が取り消す、つまり文科省が宗教法人の解散請求
を東京地裁に提出したわけである。ただし宗教活動自体は
政治の決定に影響され、抑圧されるものではない。信仰の
自由は絶対である。宗教、あるいは結社の自由は憲法で
保証されている。いくら工藤会が凶悪な悪事を働こうと、
結社の自由で国が工藤会の解散を強制は出来ない。あくま
で犯罪行為の摘発である。だから宗教は自由、絶対だ、だ
が日本国内特有の「宗教法人法」それに由来の特権。固定
資産税などの広範な免税、宗教法人格を持つことでの資産
管理ができる、・・・・・だが宗教法人と宗教団体、集団
は関係ないことだ。宗教を信仰の組織、集まりでも宗教法
人認定を申請していないケースは数多い、また「宗教では
ない」としてそもそも宗教性自体を否定し、一般社団法人
として活動するケースは例えば「実践倫理宏正会」がある。
現在、朝起き会の現状はどうなってるのか?気になるとい
えば気になる。

 とにかく宗教法人と信仰のための宗教団体は別である。
宗教の自由、特に内面の信仰の自由は絶対である、かって
のキリシタン弾圧、踏み絵などは絶対禁止される。

 しかし宗教法人認定を得ることで免税の特権を得る、これ
がまず一番大きい、だが別に宗教法人格がなくても宗教活動
は自由である。この点を、分かりきったことなのに、多くの
日本人が誤解している。宗教活動は自由である、もし極端な
公序良俗に背き、まして刑事的犯罪があればそれは摘発もさ
れようが、それは別段、宗教団体に限った話でもない。

 旧統一教会、は実はその反共団体としての政治的活動で日
本国内の保守層に広く浸透し、国際勝共連合は政治団体とし
て健在であり、国内では憲法改正、防衛力強化、スパイ防止法
制定の推進、同性婚、LBGTQ運動への反対、などの保守的思想
、政策の実現を図っている。岸信介元総理、など多数の賛同者
を得て現在もそのスタンスは変わらない、でなくますます保守
化を扇動している。

 旧統一教会の学生組織、原理研は大学内で生長の家の学生組
織、日青協と組んで左翼学生の学内からの追放に大きな「貢献」
をした。日青協の出身者は既存の右翼団体を再編結集し、日本
会議という国内最大の右翼団体を生んだ。まず自民党の国会議員
は全員、日本会議に所属していると思われる。最近、日本会議の
話題があまり取り上げられないが、これは安倍第二期政権を生ん
だのが日本会議であり、安倍退陣で勢力に陰りが生じているわけ
である。

 ここまで考えれば、・・・・・保守主義に潜む宗教攻撃体質が
右翼の牙城でもあった旧統一教会攻撃という、一種の「共食い状
態」を生んだのは皮肉といえば皮肉である。だが宗教法人の特権
を剥奪でああり、宗教団体としての任意団体としての活動が何ら
制約されるものではない。だいいち旧統一教会は本部は韓国だが、
グローバルな活動を行っており、日本国内特有の宗教法人格剥奪
は別に致命的なものでも何でもない。だが日本が資金源であった
のは事実である。宗教法人格喪失よりあまりの寄付金批判のメデ
ィアの大合唱のほうが痛いはずである。

 東京地裁は文科省の申請を認めるか?ほぼ100%認めるはずで
ある。日本の裁判所は行政については追認機関である。

 でも山上容疑者、大願成就というなら大願成就だろう。でも
過剰では済まない寄付で家庭崩壊は気の毒である。

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