歯科技工士が日本から消える可能性、歯科の崩壊に直結しかねない
もちろん歯科技工士がひとり残らずいなくなることはない、
にせよ、実質的に歯科技工士が消えるに等しい状況の到来は
あながち否定できない。現在、日本全国で歯科技工士専門学
校は48、中には「四年制大学」化もあるが、定員割れが基本
である。
仕事的には技工物を仕上げるまでが勤務時間だから、自営
なら拘束時間!に際限はない。とにかく歯科技工物を巧みに
作り、完成させるには不屈の忍耐と頭に依拠の器用さが必要
だ。センスがない者が如何に努力してもいい技工物は出来な
い。よくないとオーダーは途絶えてしまう。本当に厳しい世
界だ、これは歯科技工士が不足でも変わるものではない。
仕事の態様は、本当に超辛気臭いの一語に尽きる。好きに
ならないと、といって好きになるという意味は複雑だが、容
易な仕事ではない。下手でも作ればいい、世界ではない。う
っとおしいなら金偏の工場で働くのも同じだろうが、とにか
くセンスと細かさ、器用さと知識、学識が要求される。
収入はといえば保険点数はさっぱり上がらない、金属価格
が上昇したら応じて補綴物の点数も上がるくらいで、技工料
も保険の技工物では低水準である。自費なら期待できると
云って歯科医院激増で歯科医院一軒あたりの収入は下落の一
途だから、要は全く期待できない。拘束時間は制作時間だか
ら長い、収入はさっぱり、
かくして離職率は80%近い。岡山県にあった笠岡歯科技工
師専門学校、廃校寸前の時期で卒業生40人で実際に歯科技工
のみちに入ったのはたった2人だったとか。
最新式に機械化され、将来歯科技工士が不要になるは、全
くのデマ、大ウソである。歯科がある限り一体のものとして
歯科技工士は必須だ。技工士なくして歯科はない。歯科医院
は技工士と安定した関係を維持しないと到底、存続はおぼつ
かない。だが他方で歯科技工士の苦境も深刻である。事態の
改善が模索されねばならない。
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