レアメタル、レア資源の極端な濫用社会、例えば蛍石にみる資源枯渇の現実味

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 レアメタル、レア資源、現在の半導体社会、高度産業社会
をささえる必須の物質である。いちいち例示は煩わしいが、
例えば半導体製造に欠かせないフッ素化合物、日本の森田な
どが生産しているフッ化水素だが原料は蛍石である。韓国に
フッ化水素など禁輸し、「初めて日本の国家意志が発動され
た」などと愛国メディアが狂喜したのだが、原料の蛍石はすべ
て輸入である」これも品質、コスト、埋蔵量などで圧倒的に
中国からのものだ、がこれも輸出規制の網がかかってきている。
日本の商社、バイヤーなどは世界中から資源を調達する努力を
行っているがレアメタル、レア資源では中国の比重が圧倒的で
ある。

 話を単純化のため蛍石を例としてあげれば、フッ素自体は
地球上に莫大存在しても利用できる原料は非常に限られる。ま
たフッ素化合物は再利用できない。半導体製造に必須のフッ化
水素製造技術では日本は世界に君臨しているが、中国も追いか
けてきている。何よりもその原料の蛍石の品質という点の優位
性では中国がこれも君臨しているが、現状の採掘量では40年よ
りはるか以前に中国で蛍石は枯渇する。日本では産地は多いと
されるが経済的利用という観点では1980年頃にすでに完全枯渇
宣言がなされている。

 「再生可能エネルギー社会」というがそのためには恐るべき
レアメタル、レア資源、二次的なレアメタルなどを莫大、濫用
に拍車がかかるばかりであり、「今後、40年」という目安も
増え続ける利用でさらに短縮は避けられない。別にレアメタル
に限らず通常のメタル資源でも銅資源は特に埋蔵量が少ない。
日本の都市鉱山の銅の10倍以下の埋蔵量しか残っていない。「
再生可能エネルギー」は従来夜遥かに多量の銅を必要とする。太
陽光パネルの銅線の窃盗がエスカレートもこの辺の事情だが、人
類がとにもかくにもCO2での温暖化という仮説を絶対的ドグマと
してますますレアメタル、メタル資源、派生的レア資源の濫用が
エスカレートの一途で従来、~年は可能、という前提自体が崩壊
しているわけである。リチウムも200年程度可能だったがBEV一台
でスマホの最低数千倍もの、大容量となると1万倍近いリチウムの
使用量となり、到底、「200年は可能」は砂上の楼閣というしかな
いだろう。

 ゲルマニウム、ガリウム、それらの広範な化合物の強力な輸出
規制、またそれ以前にネオジウム、磁石技術の輸出規制、タング
ステン、モリブデン、黒鉛など広範な必須のレアメタル、レア資
源の輸出規制を矢継ぎ早に打ち出している。中国ばかりが問題
にされているが他の資源国も貴重な資源として輸出既成の網をか
けている。どう考えても半導体に必須のガリウムは中国が98%の
シェアを持っている。9月以降の対日輸出はほぼゼロレベルであ
る。腹芸でなんとかなる、という時代ではない。「数ヶ月の在庫
はある」というが数ヶ月くらいあっという間である。どう対処で
きるのか。

 CO2温暖化論という実際は全くの仮説をどこまでも絶対化し、
そのためにはいかに資源を消費濫用しても許されるとコンセプト
ではほんの30年も現在の工業生産が可能継続とは思えない。「
人新世」などという思い上がった考えは、要は、資源の逼迫、枯渇
を念頭に置かない非現実的な妄想でしかないということである。

 もう私の代なら価格は高騰して入手難でも従来の生活は辛うじて
可能だろうが我が子の代ではもはや困難と言わざるを得ない。

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