改めて、日本のクリスマスを祝日としない国の姿勢を真面目に考える。際立つ日本の異質さ

 
 12月に日本は世界でも稀有な祝日がない国である。年末年始
の社会的慣習の連休はさておく。つまり、日本は世界でも稀な
クリスマスを祝日としない国である。イスラム国でも中東のガ
チガチな国を除けば、イスラム教徒多数の国もクリスマスを祝
日とする。北朝鮮、中国、ベトナム、タイなどと日本は同類項
というわけだ。

 サイトを見て、政府の主張を代弁したようなサイトもある。
つまり、

  政教分離の原則を貫くためだ、日本は世界に冠たる政教分
離の立派な国だ

  という内容だ。北朝鮮のように宗教絶対否定、中国、台湾
のような中国語国、ベトナム、タイなどと日本は並ぶ存在であ
る。

 なら地鎮祭などは?裁判にもなったが、習俗、祭祀だという
国の主張であった、現実には自民党などに大きな影響力のある
神道政治連盟、さらに日本会議などの激しい反対が確実という
現実がある。

 それやこれやで、

 国の姿勢が変わるはずはないのだから、云うだけ無駄、という
のもその通り、だが、さしたるものとは思えないがG7!に属し、
「西側中の西側の国家」であることを恰もアイデンティティとす
る国としては世界唯一、非中国語国家なのに漢字にますます耽溺、
クリスマスも国家の祝日としない、英語もほぼ通用しない、あま
りの異質な極東の国家である。

 世界中のほとんどの国が祝日としているクリスマスは、要は
お祭り、世界中が等しく祝うお祭り的なもの、という位置づけ
の国が多い。イスラム国などはそうである。宗教行事とみなさ
ず、世界的なお祭り、お祝いとして捉えている、これは戦前、
日本国が「国家神道は宗教ではなく祭祀である」として宗教で
あることを否定していた。いわば全宗教の上に君臨する超宗教
という位置づけであった。戦後は、国家神道に基づく祝日が、
「建国記念日」戦前の紀元節である。国家神道の粋が紀元節で
あり、戦後に、それを復活したのである。それを「宗教では
ない、伝統行事だ」として国は祝日化した。それと比較すると、
クリスマスを宗教行事としてではなく、世界が祝うお祭り、と
いう考えははるかに妥当性があるし世界の常識にも沿っている。
むろん、キリスト教国は宗教的な意味合いが大きいが、非キリ
スト教国にとって、クリスマスを「お祭り」と規定すれば何も
政教分離に反するものではない。ただ現状では日本の文化的な
異質性が際立つのみ、ということである。

 また国民生活、経済からもクリスマスを祝日とする効果は
経済面、市民生活面からも大きな意味がある。日本のことだ
から、クリスマスを祝日かと云うと、あらゆる側から反対が
噴出することは想像に難くない。このていどの度量もない
国では北朝鮮レベルとまでは云わないが、文化的にはそれに
近い性格を持つ、と言わざるを得ないだろう。なら、例えば
「世界平和記念の日」とか別の名称で祝日化する、のも手と
考えるがどうか。だが、クリスマスをクリスマスと呼べない
なら情けない話になってしまう。

  世界最大のイスラム国、インドネシアのクリスマス

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