エヴァン・ハンター『暴力教室』ハヤカワ文庫、映画の「暴力教室」の原作
ジェームス・ディーンの主演で知られる映画「暴力教室」
ん原作はエヴァン・ハンター Evan Hunter,またの名をエド・
マクベイン Ed McBaine、代表作に「87分署シリーズ」、
「ホープ弁護士シリーズ」、・・・だが、佳作とされる映画
と対応し、というとおかしいが、原作も優れものだろう。
実際、映画は原作を実に忠実に再現していて、映画だけを見
てもいいが、・・・・
元のタイトルはBlackboard Jungle
ややグラマーな女性教師を襲う生徒たち、そえrをとっち
める教師や、待ち伏せされて散々、殴られる教師二人、なの
だが主役の教師の妻は妊娠している。そこへ誰かから投書が、
妻に対し「君の夫には女がいる」さらに校長への悪質な投書、
クリスマスのショーの練習で芽生える教師と生徒の友愛の感
情、ラストシーンは教室での生徒教師の激論、というところ
は多分、映画もそのままと思えるが、原作は、その間に、一
人の教師の人間的反省と確立される自信、がおごそかに述べ
られている。
内容は凡俗が「たった一人でいい、この中から、自分が教え
たと断固言える生徒が一人でも出来きたら、私の喜びはこれに
尽きる」、真実味はあるだろう。
偶然、ある日、教師が10頭の龍を退治する騎士の話を教材に
使う場面、ある呪文を唱えることで強くなるというその棋士、
9頭を倒す、10頭目、呪文を云うのを忘れたが、うまく倒せた。
だが、では今までの呪文はデタラメ?と迷いが出て11頭目の龍
に噛み殺される。
ちょっと菊池寛の『形』を思い出すが、この物語は何を意味
する?と生徒たちに問いかけたら、今まで騒いでいた生徒たち
が、目を輝かし、活発に話し始める。討論、解説、質問、そう
い云う生徒たちを見て、この若い教師は内面に喜びの湧き上が
るのを感じた。
だからというのか、深い作品ではないと思うが、褒め言葉で
いうならアメリカのデモクラシーを説いている、現実はそんな
甘いものじゃないだろうが、さりとてウソとは云えない。
別名義で87分署シリーズなどハードボイルドものをヒットさ
せているこの作家、コナン作品もあるわけだ。映画は当たった。
原作がいいからだ。
この記事へのコメント
先生、たいへん恐縮ですが、主演ジェームス・ディーンは
間違いです。