ライラ・カリド『わが愛するパレスチナ』1974,武力闘争の論理、戦いが終わる日はないことの証明
ハマスによるイスラエルへのミサイル攻撃、イスラエルに
よる大規模反撃、休戦交渉はあっても永久停戦の話は出てこ
ない。私はイスラエル支持だが、同時にパレスチナ人の本音
を聞く必要はある。いつか、昔、生まれた赤ん坊、女児に「
ライラちゃん」という名前をつけた、というニュースがあっ
た。そのライラ、パレスチナのジャンヌ・ダルクと称された
「ライラ・カリド」その人で元超過激派のPFLP幹部、今も
武装闘争の信念は変わる道理もない。
「救国の道は武装闘争しかない。私はパレスチナ人として
人間性を回復し、私自身と同胞を解放するためには銃を信じ
るしかなかった」という断固たる決意の元、ハイジャックを
二度も敢行したライラ・カリドの半世紀である。
シオニストと欧米各国政府との関わり、アラブ諸国首脳と
の複雑な接触、がいたってわかりやすく述べられている。
つまりライラの目標は
「パレスチナ解放運動の至高の目標は、パレスチナの土地
の完全開放、帝国主義と結託して民族的な偏見による侵略を
行うシオニスト国家の要塞を解体し、アラブ人とユダヤが平
和と協調のうちに共存し得る社会主義国家を建設することだ
」
まだ冷戦終了以前である。社会主義は目標足り得た時代だ。
なぜパレスチナ人は人民戦争と長期の闘争を行うのか、ハイ
ジャックも行うのか、武装闘争への疑問に応え、ライラの半生
、PFLPの兵士としての活動、を身をもって述べているようだ。
1969年8月、TWA旅客機をハイジャックしたライラである。
「アメリカはイスラエルだ、イスラエルとはパレスチナの
土地で欧米が合体したものだ。彼らは私たちの土地を乗っ取り、
家を乗っ取り、私を乗っ取り、パレスチナ人を全員、追い出し
た。彼らに私の空の海賊行為を批判する権利はない」
たしかに、この基本的状況は今も変わっていないだろう。
イスラエルは「この土地しか我々が住む土地はない」という
固い信念である。戦いが終わる日はこないだろう。
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