1970年代、世界を実は席巻した「寒冷化・気候変動論」、その裏返しとしての21世紀「温暖化・気候変動論」

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 とにかく「CO2温暖化気候変動論」で夜も日も明けない
という、国際機関、各国政府、既成メディア、環境団体、さ
らに先導、便乗の多くの「研究者」たちだが、実はほんとに
つい最近まで、私の感覚では大学を出て何年も経つまでこの
世に「地球寒冷化・気候変動論」が席巻し、話題となって、
また多くの本も刊行されていた。それにしても「気候変動」
という短い短い人の寿命などとは異次元のテーマが短期間で
かくも間逆な方向に転換するのか、事の本質をよく示してい
る。

 ただし現在は第四氷河期の真っ只中の間氷期だから、寒冷
になったら「もしや小氷期到来、あるいは本格的に氷河期に
復帰か」と懸念するのは、ある意味、理にかなっている。
実際、1950年代末から寒冷の傾向は強く、それは1980年代
半ば過ぎまで続いたのだ。

 ただ人類とは、といって「先進国」がメインだろうが、本当
に相当昔から「気候変動論」にかなり熱を挙げていたわけであ
る。

 雑誌「世界」1976年にこのような記事が掲載されていた。
当時は「気候変化」という用語、実質、同じことだが、が
使われていた。

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 寒冷化にともなわれた世界の気候について諸外国では気候
変化について驚くほど多くの会議、シンポジウムが開かれて
いる。渡航費などの負担から日本人の出席はほとんど行われ
ていない。

 イギリスの科学雑誌「Nature」の記事

「1974年1月、ニューヨークで開かれた「気候変化・食糧生産
・国際紛争」についての会議以来、’74年の西独シンポジウム
「気候変化に対する人間の影響」の会議、’74年12月にニュー
ヨークで「食糧生産と気候変化」、’75年2月「食糧生産・気候
変化・干ばつの影響についての会議」、’75年6月、イタリアで
の「気候変化と食糧生産」’75年8月、ロンドンで「気候変化に
ついて」と、およそ異常と思われるほど多くの国際会議が開か
れているのである。さらに’75年末には豪州で会議が予定されて
いる」

 これらの会議に出席した人でも、別に現在を特別な気候の時
代と見ない人も少なくなかったが、大勢としては気候は変動期
に入っており、北半球では特に寒冷化が著しい、なお持続し、
小氷期に入る可能性を危惧する論者が多かった。


 現在進行する寒冷化の直接の影響もさることながら、これら
による降水量の異常、変動の大きな天候が注目されている。ま
た台風の発生が非常に少なくなっていること、8月以来の集中
豪雨の頻発、冷夏の襲来、などやはり地球規模で寒冷化が進行
しているという見方が支配的だった、という。

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 要するにほんの1970年代半ばでも気候変動は寒冷化への懸念
ということで大きな関心を呼んでいたわけである。ところが
1980年代末くらいから全く逆の温暖化気候変動論、ICPPが採用
したどこまでの仮説の真鍋理論、それ以外にも「仮説」へのノー
ベル賞授与の嵐、怒涛の国際機関、各国政府によりCO2温暖化論
の支配的状況、・・・・・人類、というのが欧米人はよほど、こ
の気候変動に関心がある、にせよ、恩恵と言える温暖化の恐怖を
煽っている、というのは過去に見られなかった現象である。

 その前の地球寒冷化・気候変動論の嵐がなぜ全く逆になった
のか、興味深いことである。

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