生まれ変わるなら、やはり同じ時代で。昭和30年代は日本の子どもたちが一番幸せな時代だった

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 この年齢になって、さすがに人生を懐古することが多い。
しかしながら、例えば100年なんて実は本当に短いのだ。別
に100年、別段、生きたわけでもないが、ごく身近の親族を
見て、その言葉を聞いて「人生なんて瞬間だった」は実感と
して私にも痛切に響く。才能豊かなら短い人生でも何かしら、
業績を残せるだろうが、それが我が身、我が親族となるとサ
ッパリ、まさに悲劇であるがそれがじつは普通である。

 さて、もし生まれかわれるなら、もし日本人ならやはり、
私が生きたのとまったく同じ時代、に生まれたい。ただし、
一学年下だったら小中の教科書代が無償だったわけで、こ
の点、一年ほど遅く生まれてもいいが。

 団塊の世代はちょっと厳しすぎる、超過密、超熾烈な競争
はつらい、それより6年ほど遅ければだいぶん、出生数も減
ってはいる。

 でも生まれるのが昭和20代の末ころ、1953~54年くらいは
本当に、子どもとして最も幸せな時代だったと思う。育つの
が昭和30年代、1950年代後半から1964年、アニメ「キレレツ
大百科」で万年浪人の勉三さんが「昭和30年代は日本の子ど
もたちが一番幸せな時代だったんすよ』まさしく真実である。

 商店街の時代だった。子供がとにかく多い時代、商店街、ど
この家にもまず子供がいた、同じくらいの年齢の子供がいた。
子供時代はとにかく、それらの家に、商店が多いがよく遊びに
行ったものだ。また空き地で子供が自由に遊べた時代、本当に
外で遊ぶ子供が多かった。今みたいにハイテクの遊び道具など
夢の彼方の時代だったが、楽しさという点では圧倒的に今より
上だったと思う。まだ自然も多く残され、山に踏み入って冒険
ごっこもできた。遊び場所は多かった。・・・・・それもしか
し、徐々に自然は破壊され、自然の中で遊ぶことも難しくなっ
ていた。
1965年以降、昭和40年代からは史上空前の超高度成長の日本、
もうあんな時代は来ないだろう。・・・・・

 ただし重要なことは家庭である、両親家族である。親が悪け
ればすべてがぶち壊しになる。宇宙開闢以来の悪意と歪んだ心
を煮詰めたような両親だから、その家庭生活は地獄だった。母
親!は私が幼少時から、私を千年以上の敵と思い込んだかのよ
うにいじめ抜いて虐待し続けた。それは人生の最後の場面でと
んでもない狂態として露呈した、「やはりこれが人生の本音だ
ったのか」と慨嘆した。

 時代は良くても家庭が、親が最悪ではどうしようもなかった。
ぶち壊し屋だった。決して平和で安定した状態を継続すること
はなかった。最後は墓穴を掘って消えていったが、96歳寸前だ
った。最後まで暴言の反省は全くしなかった。

 あの両親、家庭は論外として、普通の家庭で育つなら、その
時代でもう一度、生きて、今生の無念と汚点を晴らしたいが、が
どうしようもない。

この記事へのコメント

killy
2024年03月04日 09:51
貴兄の文で感じたのですが、洋画や日本画を見て懐かしいと思うのは昭和30年代の風景です。
東郷青児はほとんど人物を描きませんが、農婦が自宅で鶏を追いかけている風景画がありました。東郷にしては珍しい絵でした。
矢掛町小田在住の筒井医院(筒井保太氏)は中西草闘の日本画集を500部出版したそうです。HPあり。