あゝ、日鉄の「脱日本」が目的のUSスチール買収計画も迷夢に終わりけり

ダウンロード - 2024-03-15T110438.796.jpg
ダウンロード - 2024-03-15T110448.812.jpg
 共和党の大統領候補、トランプ氏はアメリカ・ファースト
がコンセプトである。まず大統領本選挙でも圧倒的勝利を勝
ち取る公算が高い。今回の大統領選は老老対決、やはり81歳
のバイデン大統領は不利ではあるが、しかしバイデン大統領
の政治へのアメリカ国民の失望はどうにもならない。「なぜ
トランプを落とした」という前回の大暴動であったが、その
アメリカ国民の思いが今度の大統領選でまず圧倒的な勝利
をもたらすはず、むろん、絶対はないにせよ。

 そこでバイデン大統領も対抗上、アメリカ・ファースト的
な政策を打ち出す以外にない。むろん、トランプ氏ほどの徹
底性は望めないが。

 まずアメリカ伝統の産業の保護である。オバマ流の脱炭素
の旗振りでは壊滅に瀕するアメリカの産業が多すぎる。アメ
リカファーストは共和党でこそ成し遂げられる、だがバイデ
ン大統領も背に腹は変えられず対抗策を打ち出すわけである。

 日本がいかに「日本は特別なアメリカの友好国」と咆哮し
て、歴史的なアメリカの象徴的企業、USスチールを日鉄が買
収すつることを「正当化」しようと、第二次大戦で枢軸国と
の戦いにおける貢献の柱だったUSスチールがアメリカに焦土
化された日本の日鉄の子会社化など、とうてい認めることは
出来ないはずだ。戦前のアメリカの対日移民排斥への報復が
これでなった、とほくそえむ向きもあるが、現実は甘くはな
かったのである。

 日鉄は「日本は最友好国」、「脱炭素の深化のため」と、
泣かせるセリフを放ってUSスチール買収を成し遂げようと
必死の形相だが、現職も対抗馬もともに反対の旗幟を鮮明に
した以上は、いかに「大株主」が支持しようと無理なものは
無理である。

 日鉄の本音は「脱炭素」などではなく、無論それは見え透い
た口実でしかなく、「脱日本」である。だから日本国内の高炉
は続々廃止、製鉄所丸ごと廃止、「日本を卒業したい」のであ
る。日本から海外に輸出でなく、実質、アメリカ企業となる、
日本の将来を見切った起死回生のUSスチール買収、それもやは
りアメリカの国民感情の逆撫でという不合理!を克服できなか
ったのである。

この記事へのコメント