すでにラフカディオ・ハーンも断言していた「神戸に魅力なし」、インバウンド蚊帳の外の神戸


 近年の外国人観光客、インバウンドは凄まじい。この岡山県
でさえ外国人観光客は非常に目立つ、岡山駅などでも白人の観
光客の姿が目立つ、だからインバウンドのメッカ的な場所では
その経済効果は莫大であり、京都、大阪などは西日本では最大
のインバウンドのエリアである。先日も大阪の心斎橋に行った
が道行く人、外国人がとにかく多い、西洋人がである。

 だがインバウンドの恩恵から見放されているのが神戸である。
基本的神戸は観光地としてみれば、あくまで日本人向けの地域
である。北野異人館、また元町の中華街、どこまでも日本人向
け、エセ西洋、エセ中国というべきだろうか。神戸を訪れる外
人観光客は少ないと思う、実際、神戸の街であまり外人観光客
を見ない、大阪、京都など考えるとその意味で別世界である。
インバウンド効果の外国人の宿泊者数も大阪が2023年では1800
万人を遥かに超えており、京都も1200万人を相当に超えている
のに対し、神戸はまさにかろうじて100万人にやっと達するとい
うレベルでしかない。

 つまり外国人観光客には神戸という街は全く魅力がない、わ
けだが(無論、例外的なケースはあるにせよ)これははるか以前、
ラフカディオ・ハーンが言い放っているのである。ハーンは
1890年に来日し、松江、熊本、神戸、東京と移り住んだ。まず
松江は記念碑的な場所である、たしかに日本情緒に満ちた美し
い街である。だが熊本は西南戦争の荒廃もまだ残っていていい
印象は受けなかったが、その後の神戸である。

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 ハーンはこう述べている

 「神戸は魅力のない場所である。どこにも日本的伝統、情緒を
感じさせるものはなく、一部の西洋人居留地は我々から見て、お
よそ半端な欺瞞を漂わせる。だが問題は神戸という街自体がスラ
ムから成り立っているということである。決して近づいてならな
いような場所がそこかしこと存在し、その気分の悪さといったら
ない」

 実際、今なお、昔と全く変わることのない、「近づいてならない
場所」が神戸には多すぎる。生田神社の北側、メイン通り以外の
商店街、長田区、JR神戸駅から三宮駅までの高架の沿線、怖い場所
が多すぎる。怖い場所なら大阪、京都だったある、と云われるだろ
う、それは事実、だが大阪、京都はそのような場所以外の魅力ある
場所が膨大である。だが神戸は「行ってはならない、歩いてはなら
ない」場所でほぼ成り立っている、という印象を受ける。「それ以
外の魅力ある場所」が非常に面積的に狭く、またそれらは外国人
観光客から見ればおよそ魅力がない特質を持っている、というしか
ないのである。

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