麻原彰晃(松本智津夫)の遺骨を国が遺族へ返還拒否は大量死刑執行(ジェノサイド)の余熱である

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 国が東京地裁判決に不服で東京高裁に控訴したという。それ
は死刑執行された松本智津夫の遺骨を遺族に返還しないことへ
遺族が裁判を提起、当然、東京地裁はいかなる法的根拠もない
国の遺骨返還拒否を違法とし、返還を命じたことに不服だから
である。(画像はオウム死刑執行前夜の自民党の宴会)

 ・・・・・・・さて、どう考えるべきか。結論は簡単である。
死刑執行をしたら火葬後、遺骨は遺族に返還しなければならない。
これに例外はない。「遺骨が好ましくないことに利用されるかも
しれない」は遺族に返還しない理由にはならないのである。死刑
執行自体は国による殺人行為である。だが死刑判決に依っている
から違法性は阻却されるが、行為自体は殺人である。したがって、
少なくとも国は遺骨を遺族に返還の義務がある。なにか理由を
けて返還しないことを認める法的根拠は皆無である。

 それだけの話しで国が麻原彰晃(松本智津夫)の遺骨を返還しない
いと駄々をこねているわけである。高裁も常識があれば地裁判決
を踏襲するはずだが、しょせんは人間の判断、さらに社会常識を
欠く傾向のある高裁だけに、判決の行方はわからない。

 そもそも遺骨は遺族のものであり、それをどうしようが自由と
いうものである。今さら麻原彰晃の神格化などする団体もないだ
ろうし、まず間違いなくそうだろう。だが、万一を考えても、返
還を拒む理由は国にはない。国による殺人を犯した以上は、遺骨
の返還は最低の義務である。

 だが、過去に近代においてこのような例?はあった。

 極東国際軍事裁判で死刑となった東條英機らA旧戦犯の遺骨は
遺族に返還されることはなく、GHQによって太平洋に廃棄された。
「もし、東條などを軍神的に祀る可能性があれば」ということも
あるし、A級戦犯などの悪党の遺骨など廃棄すべきだ、という報
復の感情もあったはずだ。

 だが別に戦時でも戦後でもなく戦争にかかわることもない、国
は麻原彰晃に対して戦勝国でもない。遺骨は黙って返還すべきだ。
当然である。法治国というなら。

 だが、やはり私が痛感するのはオウム事件にまつわる大量死刑、
ジェノサイドの余熱がなお国に残っているということである。現
代の国家でちょっと例を見ない大量死刑執行だった。オウムがそ
れだけを悪をなした、というにせよ、死刑は松本智津夫被告だけ
でよかった。それとて心神耗弱状態で死刑を執行できる状態では
なかった。ジェノサイド法相、上川陽子はだからそれを「評価」
されて、やたら与党、野党から「次は上川陽子総理」と持ち上げ
られるのだが、この上川総理というジェノサイドへの恩賜と、遺
骨返還拒否は根底でどうにも結びついている気がしてならない。
高裁で返還でさっさと決着してほしいが、これでは超法規措置が
まかり通ってしまう。それはジェノサイドの余熱なのだ。

この記事へのコメント

纐纈 晃
2024年03月19日 20:49
先生ご指摘のとおり上川氏は法相のとき時代が平成から令和に変わるからキレイにしろってことでオウム死刑囚全員を処刑した。これが党内で非常に評価された以後もとにかく政界での立ち回りがうまく次の総理になる可能性は高い、国民には非常に不幸なことだ。