村田栄一『じゃんけん党教育論』1978,多数決反対、「賭け」の教育論、国家原理にも応用すべき
横浜国立大教育学部はユニークな教育者を輩出する。阿部進
さん(1930年生)、この本の著者、村田栄一さん(1935年生)、
村田さんは長く教職に携わったが、その教育理念は私は現実の
国家にも適用すべきとさえ思える。
村田さんの担任クラス、パオパオ共和国、との別名がある。
多くの独自のルールを制定している。
「本会の代表選出、決議等は6年4組の伝統を引き継いで、
全て有志制とジャンケン制が優先する。罰と多数決は原則とし
て採用されない」
刊行は1978年11月、その年の3月まで村田さんが担任してい
たクラスの会則第7条だ。「三すくみ」ジャンケンだが、この
単純で公平な論理こそが、村田教室を支配する。ジャンケンの
「賭け」の教育論を説いている。教師の立ち位置は①待つ②誤
答を切り捨てない③点数化、記号化を慎む、の三点だtろいう
のだ。
「子供に基本的に大きな差はない、あえて教師が差をつけて
序列化する必要はまったくない。みな、じつはチョボチョボの
存在だ。頭の善し悪しはあるのかもしれないが、それで人間の
価値、実力は決まらない。クラス委員流行りたいやつ同士が、
ジャンケンで決めればいい」
つまりやりたい者同士のジャンケンですべて決めるのだ。
内容を紹介すれば際限がないから、やめておくが、実は以上
で本質的考えは尽きている。私はこれを国家に適用すべきと思
う。
民主主義といって実際、民主主義の偽装のために選挙制度が
ある。その一票、小選挙区で投票の一票が民意の反映とは全く、
無縁であることは明らかだ。政党選挙だから、多少の議席の
増減はあろうと、結果は最初からわかっている。議員内閣制で
、全ては政権党幹部と官僚の密室の談合で決まり、民意の反映
の余地は実際はない。
なら選挙など行わず、流石にジャンケンとはいかないから、
有志からのくじ引きで国政の義委員は決める、直接民主主義の
理念が重要だ。誰でも、議員になり得る、これが重要だ。
現実、参議院は衆院と同じ政党制では全く意味がない、せめて
参院だけでも有志の中でのくじ引きで選出すべきだ。偽装の選挙
あど無意味以上の愚民化である。
村田先生は
「ジャンケン制とは、たまたま役に当たった者が、恥をかきな
がらも、その役を演じきってしまう、という飛躍こそが人間ドラ
マになる」
これは国政にも応用すべきだ。みせかけの民主主義、また選挙
の馬鹿騒ぎは愚の骨頂だ。
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