円安が止まらない、日本は発展と無縁の「発展途上国」

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 円安が止まらない、1ドル155円を目指す展開だろう。日銀は
マイナス金利を解除と決定はしたが、依然、ゼロ金利レベルで
ある。対してアメリカは金利低下は抑制されるとの見方、金利
差縮小の目処はないとの観測である。日本には円安の影響もあ
って海外からの観光客の洪水である。口々に「日本は何でも安
い」とショッピング、またレストラン、飲食に余念がない。本
当に京都、大阪に行っても外国人観光客、特に白人の多さが際
立つ。

 元来、ドル円相場は1971年、明治政府の新通貨制作で1ドル=
1円でスタート、その後1ドル=2円、日清戦争勝利で再び1ドル=
1円に、だが徐々に円安に向かい、関東大震災後は1ドル=2.5円、
対米戦争直前は5円ほどのかなりの円安であった。戦後は惨敗に
よる国土の焦土化、終戦時は1ドル=15円、翌年は50円ん、1948
年に270円、1949年に1ドル=360円、という超円安で固定化され、
長く続いた。それが1972年だたったか1ドル=300円、ニクソンシ
ョックと言われた。徐々にその円高が進み、2011年10月30日、1
ドル=75円32銭の円の最高値となった。だが1ドル=1円でスター
トだから円は安い。

 現在の円安は安倍第二期政権からの無制限金融緩和策の影響に
よるが、根底に日本の産業の低迷がある。2000年すぎまで、「エ
レクトロニクス」では日本の独擅場であったし、工業各分野で世
界トップに君臨した日本だった。戦後長く、アジアはまだ眠って
いた。半ば、日本の一人舞台も中国、韓国の経済成長、ASEAN、
南アジア地域の発展、かっては想像さえしなかった状況が事態を
一変させた。日本は人類史上例もない超々高齢化の道を驀進だが
、それに対応する制度改革も政策も打ち出せず、むしろ逆行の誤
った政策を連発して低落に拍車をかけている。かってのお家芸が
次々に落城陥落している。

 そこで「安い」と外国人観光客が感激する日本だが、日本国民は
ますます高物価に苦しむ羽目になる。自国通貨の価値が低下という
ことの辛さをこれからイヤでも思い知ることになる。生活の貧窮化
である。これをもって日本の「発展途上国化」とも云われるが、も
はや発展しないわけである。あらゆる意味で発展しないわけではない
が、貧すればドンするのスパイラルに陥ってしまった。

 日銀はマイナス金利は解除したが、金利は依然、ゼロ金利レベル
だ、利殖は、となって政府主導のNISA、新NISAに国民が騙されて
、乏しい金をさらに目減りさせる、ということだ。耐乏生活はこれ
からである。

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