「安い日本」を支える最大の要素、「非正規雇用」労働者の不遇と悲惨


 実際、どんな超大企業の製造工場でも、その底辺にいて、
汚い、きつい仕事を受け持つのは非正規雇用の労働者である。
自動車工場もそうだし金偏の大企業など、特に圧倒的に非正
規の比率が高いのは食品製造業だろう。今、偶然、問題化し
ている工場での死亡事故、労災事故はほぼ非正規雇用の労働
者、むろん、派遣という形での非正規が多い。ごく最近は、
キリンビール工場での死亡事故が報道されたが、現実、ほとん
どは報道などされず闇に葬られる。正規雇用でないから、別段、
当該の超大企業や大企業がその死亡事故の保証に関わる必要も
ない。JFE西日本製鉄所福山地区は「対岸」の笠岡にも工場を建
設しているが、そこで死亡事故、だが労災死亡事故はJFEでも、
実は日常茶飯事であり、ほぼ全て派遣という型式の非正規労働
者であり、「問題化」もしないし、報道されることもない。た
だごく最近は偶然、工場での、あるいは建設現場での死亡事故
が報道されているに過ぎない。別に労働者の生命を粗末にした
ではないかと、政治門高することもない。正規雇用労働者がそ
うなれば政治問題化するだろうが、現実、根底できつく汚い仕
事は非正規である。「死んでくれても痛くも痒くもございませ
ん」というのが超大企業、大企業の言い草であるし、正規雇用
と非正規雇用の待遇の峻別は日本の司法もお墨付きを与えてい
るのであるから、非正規の死亡事故は「どうぞ、どうぞ」とい
うわけであろう。司法さえ、同じ労働者でも非正規差別を徹底
肯定なのだから日本という国、称賛に値するようなくとは思え
ないのである。

 キリンビール取手工場などこの半年で2件目の死亡事故だ。

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 外国人観光客が日本来て日本の、特に食品の安さに驚いてい
いるとはいうが、食品関連は非正規の比率が圧倒的に高い業種
である。大企業になればなるほど、また非正規の比率が高いの
だから。円安は一時的要因である。構造的に非正規の犠牲に全
て依存している日本の本質といえる。

 昔々、大学生グループが家電を窃盗し、安く販売し、キャッ
チフレーズで「安さの秘密は秘密です」と謳ったのだが、日本の
「安さの秘密」は構造的に「非正規雇用労働者の犠牲によりかか
る」ということだろう。

 最近、偶然に労災事故が報道されているが、ほぼ全て闇に葬ら
れてきた経緯がある。事態が改善するはずもない。中小零細には
労組など全体の0.1%もない。それで中小でも賃上げ効果、などの
報道は現実からかけ離れ、笑止千万である。

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