一生、私を見守ってほしい五月人形、母親、祖父を見返したい
そもそも、私は五月人形という存在、風習を長く全く知らな
かった。私の方の親族で五月人形を男の子が祖父母から贈って
もらったなんて話も光景も見たことがない。それほど貧しい家
系ということだったのだろうか、無論、家内の方の親族はしっ
かり贈ってもらっている。女の子ならお雛様も、だが私にまつ
わる現実はその通りで、五月人形とたまに聞いて歌手の五月み
どりを模した人形かと軽薄に思っていたくらいだ。無論、鯉の
ぼりは男の子のためのもの、と知っては男の孫が生まれたら祖
父母が、ということは知らなかった。鯉のぼりは知っていても
五月人形は、鎧兜などは全然、想像だにしなかった。
結婚後、なんとなく五月人形というものをを知った。ずいぶ
んと奥手といえば奥手だが、ある意味、恥ずかしい話である。
祖父母は貧しい?まして祖父は私を最初から心底に組んでいて、
それがそのまま母親!にも備わっていた。
子供時代から親の愛情はなく、愛情がないだけではなく、心底
、憎む、幼年時代から、『殺す」はその頃からで事実上の最後の
言葉、母親の最後の言葉が「殺す」だから、想像を絶するわけで
あった。誰に云っても信じてもらえないし、みっともない話であ
る。逆に云うなら、私にとっていくら憎んでも憎みきれない「母
親」である。死んでからますますその気持が増すばかりなのだ。
多くの不幸、病気、苦しみに子供時代から苛まれ続けた私は、
結婚後、自分で自分を励ます以外にないと悟った。また友人が少
なく、親族とのつきあいも事実上ない。孤独である。その自分を
励ますために、私が自分のために自分で五月人形を買おう、生涯、
大切にしよう、いじめぬいた親、母親、祖父を見返して幸福にな
ってやる、という思いで購入したのである。亡くなった母の面影
を励みに、が普通のはずだ。いじめていて私を嘲り続けた毒親だ
った母を見返したい、レアケース?でもない気はする。
男の子が二十歳過ぎたら処分、なんて風習慣習だそうだ。私は
還暦過ぎてだから生涯、私を見守ってもらう。これからが人生と
いうことである。
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