石井正弘参議院議員(岡山選挙区)政界引退、岡山県知事時代の「ちゃぶ台返し」が生んだ空前の大水害への責任は重大

  IMG_8915.JPG
 元岡山県知事(在任期間:1996~2012)その後は参議院議員
に転進、元通算官僚の大願成就で岡山県自民党本部長の地位に
もあった。だがその岡山県知事在任中の一つの判断、長年討議
され、着工寸前だった高梁川水系の治水工事(小田川の付け替
え工事)を「工業用水の需要が想定より減少している」という、
いたって「通産官僚」的な発想から長年の懸案で着工を待つば
かりの高梁川水系治水工事を中止、あまりにの「ちゃぶ台返し」
に多くの関係者、県民は驚愕したのである。これはきわめて長
年の岡山県の懸案であった。真備地区の大水害は明治期に起きて
いた。頻度は多くはないが、「もし起これば空前の大水害」は免
れないとされ、根本的には支流の小田川の高梁川への流入地点を
大幅に高梁川下流に、つまり小田川の付け替え工事が望まれてい
た。

 戦後は1968年から本格的に議論が開始され、船穂町に柳井原
(やないばら)堰=柳井原ダムを建設の必要があったが、船穂町
は犠牲のみでメリットがないため、容易にその承諾を得ることが
出来なかった、・・・・・が、の承諾もついに得てついに小田川
の付け替え工事が決定され、着工を待つばかりとなった、寸前に
石井正弘知事の「ちゃぶ台返し」であった。岡山市出身、通産官
僚ということで備中地域への思いなど希薄だったのかもしれない
が、目先の利益で論じるべきでない治水工事を、「工業用水の需
要が減った」などという目先の経済的理由で決定済の工事をやめ
る、などという県知事失格というほかない不見識というほかはあ
るまい。要するに県知事になるべき人ではなかった。治水、防災
工事は百年の大計である。。

 結果は見ての通りである。掟破りのちゃぶ台返しがもたらした
のは恐るべき大水害であった。真備町の水害ばかり取り上げられ
るが西隣の矢掛町も堤防が決壊し、大被害を被った。

 IMG_8887.JPG

 皮肉だが水害の直後の「国交大臣」が石井正弘であり、視察に
訪れたが、・・・・・・何たる皮肉であろうか。

 真備水害訴訟の経過はどうなのだろうか、住民がターゲット
とすべきは石井正弘の知事時代の工事着工寸前中止の超誤判断で
ある。あまりに明白な材料があるわけである。それでなお「責任
はない」とは言える道理はない。

 もう78歳、政界引退の年齢にせよ、本人には幸いというべきで
あろう。もう県民の前に顔を出す必要もないわけであるから。あ
れほどの恨みをかって、いかなる「老後」があるのであろうか。
負うべき責任はあまりに重大である。

この記事へのコメント

killy
2024年05月24日 08:29
災害後1年くらい石井知事の責任を追及する書き込みもありましたが、6年経った今は何もありません。
先日、定年になった大学教授と小田川上流を見に神石高原町まで行きました。
まだ災害は係争中ですが、小田川の新しい合流地点が「T」字型になっている件について国土交通省は「計算では大丈夫です」と回答しました。
不測の事態が生じたら、想定外と答えるでしょう。