中国の台湾侵攻が中国、台湾共倒れを誘い、日本復活の起爆剤、第二の朝鮮戦争となる可能性

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 「その軍事作戦が実行可能」ということと「その軍事作戦の
発動による結果が利益となるか」は全くの別物であることは、
あまりに明らかであるが、それを深く考えようともしない軍人
、軍事的野心にかられた政治家たちによって歴史上、とんでも
ない結果としての国家的損害を蒙った歴史的事実はあまりに多
い。日常生活でもし喩えて言うなら、ナイフを持って道を歩い
ている。他のひとを襲える、危害を加えられる、だがその結果
は自分の人生の破滅、奇妙に分かりやすいが!それと事情は似
ている!

 歴史的にも数え切れないが、真珠湾奇襲攻撃、あの時点で世
界で熟練した艦載機搭乗のパイロット、本格空母を多数持ち、
空母機動部隊で攻撃を行える国はまず日本帝国海軍をおいて他
になく、あの時点で米海軍の空母部隊は練度も低く数も制約さ
れていた。だから1941年12月、ハワイ攻撃は「可能」だった。
山本五十六は海軍兵学校教官時代から講義でも、しきりに対米
開戦時のハワイ攻撃を口にしていたというから、はやくから、
よほどハワイ攻撃に執着していたようだ。だから、あの時点、
空母機動部隊でのハワイ攻撃、大願成就、世界に類を見ない空
母機動部隊の集中投入でアメリカ海軍太平洋艦隊の拠点のハワ
イを攻撃、・・・・・出来た、といってハワイは遠い。タンカ
ーも随伴しなければならない。その辛苦の挙げ句だったが、と
かく可能だった。アメリカ太平洋艦隊に大打撃、だがハワイは
あくまでアメリカ海軍の出先である。一時的な機能喪失であっ
た。結果は「戦争を限定戦、短期で交渉で終わらせる」ことが
不可能になった。この戦略的破綻こそが真珠湾攻撃がもたらし
た最大の結果だ。「長期戦に備えるためまず南方資源地帯を
確保、そのためアメリカ太平洋艦隊を一時的に機能停止」
は長期戦を絶対避けるべき日本にすれば、唖然とするスタート
時点での致命的破綻であるが、何故か今でも日本国内ではあま
り本質が批判されない。まあ、その結果、とんでもな犠牲をも
たらして、日本のあの海軍、陸軍が消滅したのだから、山本
五十六は日本の真の意味での皮肉な救世主だった、とは言えよ
うか。

 以上ダラダラ述べたのは「その軍事作戦が可能」であること
とと、それがもたらす結果は全く別である、ということである。

 度重なる中国の、台湾侵攻演習、もはや「中国の台湾侵攻」
から台湾の完全封鎖、上陸から制圧は完全に可能、という軍事
予測が最近、防衛省からも出された。そのとおりである。中国
がその気になれば、もはや止めることは出来ない。アメリカも
何らかの介入、、その阻止を試みるにしても中国大陸に近すぎ
る台湾である。

 日本にとって中国の台湾侵攻、封鎖、上陸、制圧は何を意味
するか、である。まず中国が得るものは実はなにもない。軍事
侵攻には台湾も徹底抗戦、ゲリラ戦術も含め長期に渡る抗戦を
行うだろう。それに向けての準備は行っている。台湾内の世界
最大級の大型半導体工場は破壊される。中国がそのまま、まん
まと接収、自分のものとして使うことはあり得ない。台湾は
破壊される。

 容易に封鎖、上陸、制圧できると云ってあの硫黄島でも圧倒
的な隔絶した戦力差があって米軍は完全制圧に一ヶ月以上を要
したのである。台湾の面積は九州と同程度である。

 日本の産業の砦は次々に陥落を重ねている。没落はせずとも
かっては世界の半分を占めていた造船も中国に大きく引き離さ
れ、世界三位、だがこれは健闘している代表格だ。自動車も
EVシフトという中国の戦略的な超絶戦で、難攻不落と思われた
日本の自動車産業も揺らいでいる。自動車輸出世界一の座も中
国に明けわたした。まさか白物家電、だが中国に完全に牛耳ら
れている。電子工業分野では見るも無惨、その他あらゆる分野
の工業製品でもほぼ中国製でおおわれている。・・・・・事態
は日本にとってジリ貧の絶望である。・・・・・・だが、

 日本を唯一、奇蹟的に復活させ得るものがある、ならそれこ
そが中国の台湾侵攻の暴挙である。皮肉なことだが、それは確
かに云える。中国、台湾が共倒れになって日本に信じられない
復活の可能性が生れる。

 歴史上、それは一度あった。日本が第二次大戦で焦土と化し
て敗北、国民の生活レベルは縄文時代のレベルに、、食料は
欠乏した。世界の五等国に転落、世界のほぼすべての国から
宣戦布告された。トルコからもである。世界中から憎悪を浴
び、産業は壊滅、領土は主要四島に限られた。沖縄、北方領
土、小笠原も喪失、・・・・・・もはや絶望の状況から奇蹟
が起きた。朝鮮戦争である。近隣での他人の戦争が日本に
思いもよらぬ経済復興をもたらした。さらにそれ以前の中国
の共産化である。国民党の台湾逃亡、中国共産党の支配とい
う情勢の激変が日本の立場を驚異的に有利にした。ゴミ同然
とおもわれた日本が反共の砦、宝石と化したのである。

 朝鮮動乱までは日本は全く経済復興の糸口さえつかめなかっ
た。だが奇蹟が起こった、特需である。日本の戦後の経済成長
はここから始まった。もし朝鮮動乱がなかったら、と考えたら、
また中国に国民党政権が居座っっていたらと考えたら、日本の
窮乏化は半永久化したはずである。

 そこでいまや中国の圧倒的な攻勢で産業基盤も見る影もない
日本、に奇蹟を起こすものが台湾紛争、中国の現実の台湾侵攻
である。同胞相い撃つ、他人が漁夫の利を得る。その他人は日
本である。それが好ましいことではない。だが近隣の不幸を再
起の原動力とするというのが日本の歴史である。

 台湾侵攻は容易、と思って実際可能である。可能だから侵攻
という暴挙が発動される。中国の自滅、中台共倒れが始まる。
まさかと思った日本の復活、半導体を始め、多くの喪失された
産業が再び日本に戻る可能性が高い。

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