要するに人間で性染色体でY染色体を持てば男性である、なければ女性。単純な話、社会的事情はまた別の話
こんな単純な話はない。人間の性の判別は性染色体で決定
するしかない。別に性染色体が正常、女性でXX,、男性でXY
なら問題ないが、その異常のバリエーションは数多い。性は
出生時に判断されるから外観、外性器の態様で医師、助産婦、
親などが決めるようだが、どうも厳密な法的な決まりは日本
ではない、と云うより、生まれて性染色体検査などやるはず
もないから、外性器の様態で決めるが、これも性染色体異常
があれば外観を欺罔する傾向がある。
社会的に話題になるのはスポーツの世界であるのは従前
からである。云い難いが、女性として大活躍したが実はY染色
体を持っていたケースは数多い。実例を挙げるのは差し障りが
ある。戦前、岡山県出身の陸上の選手もその例だった、が染色
体検査など戦前は望むべくもない。
性染色体異常で多いのは「スーパー男性」XYYである。Y染色
体を2つ持つ、大学時代、解剖学の先生が「XYYはスーパーマン
だが、助平な意味でのスーパーマンだ」と講義で云われていた
のが印象に残る。このXYY方は性犯罪にかかわるケースが多く、
よく凶暴性が非常に強いとされた。近頃は、遠慮した説明になっ
て「犯罪とXYY」は封印されているようだが、実は多い。生来の
異常で本人に責任はない、とも言えるが、社会政策上、配慮すべ
きである。
社会的に問題になるのはXYY、とそれと女子スポーツ界におけ
るY染色体保有選手の扱いである。今回のパリ五輪でボクシング
でアルジェリアのケリフ選手が問題になっている。昨年か、IBAは
性染色体検査でケリフ選手にY染色体を認め、男性として、女性と
しての出場は禁止した。確かに顔貌から体型、男性であるが、「女
性として育てられた、アルジェリア政府のパスポートは女性」とい
う「社会的事情」にIOCが配慮して、ということだが、これは本人が
女性としての出場を辞退すべきだったと思う。
そりゃ日本でも手術なしでも男性から女性に「性転換」が認めら
れる時代である。LBGTQを謳い文句のパリ五輪ならでは、の男性の
女子競技での活躍ということか。
ただ格闘技でY染色体を持つ実質男性と女性を戦わせるのは危険性
があるのも明らかで、格闘技ではセックスチェックは厳しくすべき
義務がある。IOCはそれがなかった、ということである。そこには
IOCならではの事情があったわけである。
性別判定は簡単である、Y染色体があれば男性とスべき。社会的な
事情、あつれきは別問題である。IOCはそのような立場に置かれる団
体ということである。IOCは多くの事情に配慮を課せられている組織
ということであろう。
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