コメ不足の根源、米作農家の高齢化、平均年齢、68歳!食糧危機は避けられない。農家に運転免許返納強要なんかやっていてはダメ

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 コメ不足であるという、実際、そのとおりだ。1990年過ぎ、
長雨冷菓でコメの大不作、翌年からタイ米騒ぎとなった。皮肉
だが翌年は太平洋高気圧の二段重ねと言われたほどの猛暑続き
で稀代の渇水となった。それから久々のコメ不足だろうか、
即座に酷暑、「温暖化気候変動」という文脈でしかメディアは
報じない。冷夏もあれば酷暑、渇水の年もある。基本、夏は暑
い。典型的な熱帯性の植物のコメの不作は社会的要因である。

 ずばり減反、極端な後継者不足、現在の米作従事の農民の平
均年齢はすでの68歳を超えている。団塊二世すら55歳を越えよ
うとしている。若年層の人口はますます少ない。農家、特にコ
メを農家として作っていると嫁が来ない、これも古臭い言い方
だが、いくら土地があってもコメを作っていると女性に嫌がら
れてしまう。だから息子の結婚を考えて農地を全て手放した、
という人を知っている。

 つまり米づくり、米作農家、その農民の平均年齢は高くなる
ばかり、コメ不足でも別段、米価が上がるわけでもない。コメ
は相変わらず安い。もちろん、高いと感じる人もいるかもしれ
ないが、一年間、コメの収穫のためのあまりに多大の労力、経
費、気苦労を思えばコメは安いのである。誰も好き好んで米作
などやろうとは思わないと思う。サラリーマンになって好給与、
ボーナス、ボーナス、福利厚生の中で人生を行きたいと思う、
のが普通である。

 現在、米作農家、米作従事農民の平均年齢は68歳、稲作専業
の農家では71歳である。米作農家の年齢のピークは70歳を超え
ている。

 以上から、新たな米作専業への新規の流入はごく限られた数
でしかなく、超高齢化が進む。非常に身体にきつい仕事だ、ま
た風水害、病害虫の影響も受けやすい。儲からない仕事だ。

 端的に云えば、もはやコメを日本でながく自給は困難である。
必要なのは高齢者の力を活かす以外に当面は対策はない。だか
ら、何かといえば認知症、高齢者は運転免許を返納しろ、の一
返倒で今後の米作が維持されると思うのは大間違いだ。軽トラ
も運転できず、米づくりは不可能である。いかに高齢者の力を
末永く発揮させるか、その施策が必須なのだが、まだ最終的な
破綻を来していないため、農家にも免許返納要請というわけだ
が、ほころびはすでに生じているのである。端的云えば、10年
後ろはもう自給など全く不可能、コメ不足の極みは確実である。

 ところが「高齢化で食糧危機はウソだ、大規模化こそ必要」
という例えば「プレジデント」、オンライン等の意見がある。
どんどん農家を減らして米作を大規模化せよ、というのだが、
これは実態を全く知らない都会人(苦笑)だから出来る妄想
である。米作は大規模化して企業化すれば、逆にリスクは
高まるのみである。何も工場での生産ではないのである。こ
のような思い違いは、米づくりの本質を知らない者の云うタ
ワ言である。

 本当に一昔前まで、日本という国、日本人はなぜここまで、
田んぼばかりで米づくりに熱中するのか、と怪訝に感じたほど
だがコメ作りこそが日本人の生命の綱、なのである。それも、
灯が消えかかっているのである。食料危機は避けられない。

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