「日本は農業さえやっておけば安泰だ」NHK朝ドラ「天花」は米づくりがテーマだった、その中のセリフ


 もう随分前、NHKの朝ドラであった「天花」、私はこのドラ
マは「米作り」が一つの重要なテーマとなっていた点で教えら
れるものが多かった、いざコメ不足となったとき、日本人は
どれだけ困難に陥るか、1993年の長雨冷夏によるコメの大不作
、翌年はタイ米騒動となった、現在のコメ不足どころではなか
った。今年は「温暖化CO2脱炭素」のプロパガンダにすり替え
られる気配だ、確かに日本の米作りの拡大はより寒冷な地域で
も育てる事が可能な耐寒性のコメの新品種への努力でもあった。
本来のコメは熱帯性なのだから、暑さは望むところのはずであ
る。実は、真の問題は

 農業をないがしろにする現代日本の風潮だ。実は日本人が
生きるのに必要なものは、まずコメ、さらに広い意味の農業で
ある。過剰な贅沢に溢れているような現代の日本でも、要は
米作りこそ最も重要、ということだ。

 もう忘れ去られているNHKの朝ドラだが、財津一郎さんの
ドラマでのセリフ

 「日本は農業さえやっていたら安泰だ」

 いまや米づくり従事者の平均年齢は68歳、70歳以上に年齢
ピークがある。大規模化、合理化のためなら農家など減った
方がいい、とうそぶく都会の論者は多い。その浅はかな短絡
こそ農業軽視、米作り軽視でコメ不足を招くのである。

 NHK朝ドラ「天花」の紹介

  IMG_1511.JPG2004年前半のNHK朝ドラ『天花』だが、偶然最終回だけ
見たのがある意味、病みつきの始まりだった。病みつきは
やや大げさだが、最終回だけ見たのが良かったのかもしれ
ない、最終回的な内容と総集編的な内容だったから。舞台
はまず宮城県の仙台、それと東京の武蔵野市の吉祥寺あた
り、天花役の主役はオーディションで抜擢のズブの素人の
藤澤恵麻だが周辺キャストは豪華である。

 最終回で仙台の七夕まつりで道端で「故郷」を歌う鈴木
竜之介、偶然通りかかる佐藤天花ら、ふとたちどまって
「あれ、竜之介くんだ」コインをポトリ、これを最終回の
総集編的内容で見たのはラッキーだった。

 「この日から始まった」

 IMG_1509.JPG

 IMG_1499.jpg

 IMG_1501.JPG

 IMG_1500.JPG

★佐藤天花:藤澤恵麻、仙台生まれの17歳、母秀子の
実家の笹かまぼこ店「雀屋」でそだった。高校卒業後
に上京、鈴木美子(富司純子)が園長の保育園を手伝
ううちに保育士を天職と考えるようになった。一方的
に良い名付けを名乗る鈴木竜之介に反発しながら、ま
た惹かれていく。

 物語の発端は、仙台は一番の賑わいとなる七夕の
季節を迎えていた、この山紫水明の土地で健やかに
育った天花は17歳、そこに一通の手紙が届いた。差出
人は東京在住の鈴木竜之介、えらく立派な名前である。

 「実は君と僕は許嫁です」1994年の夏だった。

 ★佐藤秀子(片平なぎさ)天花の母親。両親の反対
を押し切って結婚した夫、信夫(香川照之)とは夫婦
仲がいい。夫に近づく女には過剰反応、信夫が仙台の
役所をやめて東京で再就職というときには、即座に
同行を決意する。

 ★佐藤信夫(香川照之) 天花を溺愛している父親
。農業を営む信一郎の長男でありながら農水省の食糧
事務所勤務、だが農家の現状と国策の板挟みに悩む。
大学の先輩の妻の平井勝子にさそわれて東京のベビー
服の会社に転職。農業についての意見などで父親とは
対立している。

 ★佐藤信一郎(財津一郎)天花の祖父、仙台郊外で
400年以上続く農家を守る、「農業さえやっていたら
日本は安泰だ」、「米も人も心を込めて慈しむから育
つ」その米作り一筋の生き方が天花の心の支えとなる
。戦友の鈴木昭三と「互いに子供同士を結婚させよう
」という約束を孫の天花と竜之介が叶えることを祈っ
ている。

 ★鈴木昭三 (中村梅之助)吉祥寺にある相徳寺の
住職、天花の祖父信一郎とは戦友、戦後、信一郎の恋
人と結婚、それが負い目となっている。お互いの子供
同士を結婚させようという目標を孫の代で実現した。

 ★鈴木美子(富司純子)昭三の妻、相徳寺保育園園
長。天花が保育士を目指すきっかけを作る。やがて天
花を自分の後継者と見るようになる。

 ★ 鈴木大樹(竹中直人)昭三の長男、学生時代は
応援団にいて天花の父親の信夫と仲が良かった。が、
信夫と妹の結婚が破談で不仲に。竜之介は息子、修行
僧として放浪している。

 ★鈴木竜之介(平山広行)東京の私立大3年、自称
、天花の許嫁。幼い頃母が夫に愛想を尽かして失踪、
叔母の亜希子に育てられる。天花も竜之介に反お発し
ながらも惹かれる。

 ★ 真田珠江(中嶋朋子)5歳の時親を交通事故で
なくして、昭三と美子に子供のように育てられる。
相徳寺保育園の保育士、保育園で働き始めた天花に
挿し穂は辛く当たるがそれも仕事への情熱ゆえ。

 ★川島馨(市川実日子)天花の高校時代の同級生
、親友。漁師の父をなくし、継父とそりがあわず、
家出して天花のところに居候している。モデル目指
して上京、竜之介をめぐり、天花と三角関係。

 キャスとの充実は以上だけでも素晴らしいが、さら
に竹中直人の妻役、鈴木亜希子役の石野真子、信夫の
大学の先輩の妻、平井勝子役が加賀まりこ、天花、馨
の通う女子校のクラス担任、蔭山佐知子役の木村佳乃
など、さらにさらにである。

 だが先代が本来の舞台で、米作りの尊さ、農業がテー
マでもある。それは天花の父、信一郎に体現されいるし
、信一郎と信夫の相克も農政批判である。

 信一郎役、財津一郎のコメント

 「収録は稲刈りのシーンから始まりました。仙台のた
ワワに稔る稲穂の中にいると夢のような気持ちになりま
した。・・・・・珠玉のセリフが多いんです、日本は農
業さえやっていたら安泰だとか、同じ時間に同じ飯を食
ウノが家族だ、とか、・・・・」

 とにかく話を端折れば、天花と竜之介は結婚し、天花
は相徳寺の保育士を目指し、竜之介は僧侶の道へ。

 IMG_1486.JPG

 IMG_1485.jpg

 IMG_1497.JPG

 IMG_1510.JPG


 藤澤恵麻さん

 IMG_1512.JPG

 IMG_1517.JPG

 IMG_1514.JPG

 財津一郎

IMG_1518.JPG

 片平なぎさ

 IMG_1515.JPG

 IMG_1516.JPG

 富司純子

 IMG_1521.JPG

 加賀まりこ

 IMG_1524.JPG

 市川実日子

 nIMG_1519.JPG

 作者の言葉  竹山洋

 「天花」は保育士を目指す若い女性が主人公です。でも
このドラマの背景には、脚本にはない私の原風景があるん
です。

 昭和20年9月、終戦直後の東京の焼け野原に佇む二人の
復員兵、ともに死線を乗り越えてきた。二人は戦死した
多くの戦友をいたみながら、これから日本のためにどう
やって頑張って生きていくべきか、頑張ればいいのかと
語り合う。

 「農家の出身だから宮城に帰って米を作ろう」

 「実家が寺だから住職になる」

 そして、いつか平和な日本の象徴となるような、ある約
束をかわす。

 「自分の子供達や孫たちがどこかで出会い、やがて結婚
する。両家が一つの家族になろう」

 戦争を引きずってきた男と男の友情が「約束」という形
になって現在に結びついていくロマンrというのでしょうか。

 「約束」は「天花」の裏テーマです。天花は約束を大切
にする女性なんです。

 仙台と吉祥寺、別々の場所にすむ二つの家族の歩みの中
で、天花と竜之介は別々に育ちます。親子三代の奇しくも
ロメオとジュリエットのような縁に引き寄せられて仙台の
七夕まつりで出会い、愛を育んでいく、純アイドラマです。

 戦後60年以上が経ちました。僕らの親の世代に比べて、
きちんと筋の通った生き方、友情や絆の強さが薄れてきて
居る気がします。忘れてはいけないこと、守るべきことを
現代のドラマの中でお茶の間に送りたい、そう思っていま
した。

 「天花」では米作りと赤ちゃんが大切な要素です。農村
や米は日本人の根幹なわけだし、米作りがでてくるのは制
作サイドと一致したものです。

 藤澤恵麻さんは天花を演じていただきましたがまれに見
る逸材です。素直でしっかりした学生さんですね。今はま
だ芸人じゃないです。でも放送が始まり、周囲から天花ちゃ
んと呼ばれるようになって、女優として育って行くタイプ
です。誠実に生きていこうとする態度は天花の生き方と共
通しています。

この記事へのコメント