国による苛烈なコメの減反政策(転作、休作、太陽光発電など)が修正されない以上、コメ不足は続く。水稲作付面積2023年は1960年の半分に減少
政府は「新米が本格的にで始めればコメ不足は解消される。
急いで余計に買わないように」と自信あり気な態度のようだ
が現実は厳しい。なぜなら昨年、2023年の国内のコメ収穫量
は主食用のコメが661万トンである。これに対い需要は702万
トンで41万トンの不足である。
1970年代から「コメは過剰」、「米価安定のため」として
国による農家へのへ減反政策が続き、とりあえず2018年には
減反政策は終了したが、なお主食用から家畜用飼料用コメ、
への転作、また田を畑に変えたら補助金、という実質減反政
策の推進、さらには休作と太陽光発電への転換、というコメ
(主食用)の作付面積の減少は減少の一途である。水稲の作付面
積は1961年の約303万ヘクタールから2023年には約153万ヘク
タールとほぼ半減しているが人口は9322万人から1億2385万人
と32.8%もの増加である。いかに日本人一人あたりのコメ消費
量が減ったにしても、また2023年のインバウンド数が2503万
人という過去からは想像できない増加である。
さらに減反政策に加え、農家の高齢化が著しく、生産者自
体が減少、これに政府の「脱炭素化」政策の柱の太陽光発電
による休耕田へのソーラーパネル設置が相次ぎ、さらに米作
の継続のボーダーラインの農家に太陽光発電業者が激しく営
業し、米作の放棄がますます増加するという現象が顕著にな
った。
一度、休耕田に太陽光発電システムが設置されると、再び
稲作に戻すことはまず不可能である。土壌も痩せてしまって
再び農業ができない土壌となってしまう。
以上のような事情で、コメ不足は長く継続するとみるべき
である。だがメディアは国の指図なのかどうか、
「コメ不足は猛暑によるコメの不作による」という全くの
虚偽報道を繰り返しているのである。コメは熱帯性の植物で
あり、暑さが原因で不作はまずあり得ない。不作となるのは
タイ米騒動の1993年の大凶作、作況指数74の、日照不足
の場合である。寒冷地に徹底して品種改良した日本のコメは
たしかに猛暑で品質の低下はあるが、全体として不作は起こ
る道理はない。だが作付面積は大きく減少している。
要は農家のコメ作り断念は高齢化、後継者の不在などと
ともに、コメ作りのための諸経費が著しく高騰してことが重
大である。燃料代、電気代、肥料や農薬の値上がり、また不
足である。2020年の統計では稲作農家が一年働いて手元に残
る所得は一戸平均17.9万円にしか過ぎない。時給となると181
円という低さになる。2021年は純益1万円、時給10円という
ところまで来ているのだ。また日本は台風の通り道でもあり、
さらに豪雨災害も頻繁である。「後継者などいるはずはない」
という悲惨な状況である。結局、農機の寿命が尽きたときが、
米作断念となるケースが多い。
以上を鑑みて、国内のコメ不足は半永久的になるはずである。
米作を続ける限り、転作のような補助金は一切でない。来年も
コメ不足はさらに続きそうだ。
この記事へのコメント
夏は水田の稲も休耕田の雑草も青々として全部水田のように見えますが、実体は農業政策の失敗を表しています。
私は高齢ですが、今年から4年間水田の水当番を受けました。休耕田が多く今年の日照りでも水不足はおきていません。矢掛町の上水道も「水不足で水道の水源が心配だから、上流のダムを多めに開けてくれ」という話もありません。
農家の定年退職者に農家が米つくりを依頼している現状で、農機具が故障したら農業を辞めると言う人がほとんどです。昔のように定年したら農業をやるという人は、まずいません。