コメ5kg、3000円は本当に高いのか?国内農業の持続のため消費者は相応の負担を行うべき。

 
 問題は単に今年のコメ不足だけではない、こうなった原因を
国内の御用メディアのように「猛暑で不作でコメ不足」という
間違ったすり替え、思考停止に陥ってはならないことだ。食料
安全保障という最も重要な視点が日本という国にはない。日本
で国という場合、それが一体、国会議員などの政治家、を指す
のか官僚を指すのかが全く不明確である。議院内閣制で行政権
と立法権が国政レベルで癒着している日本は、責任の所在がわ
からない。内閣は官僚組織の傀儡とも見て取れるし、三権分立
は存在せず、そもそも間接民主制ですらないないだろう。どこ
にも民意の反映の余地なない。

 そこで日本国民にとって最も重要な食料安全保障だが、これ
が政府によってまったく、ないがしろにされている。新自由主
義に染まった官僚、政治家(アメリカの大学に留学させてもらっ
た世襲政治家など)によるTPPによる際限ない貿易自由化、農家
の高齢化も際限がなく、耕作地の放棄、離農は止まらない、
転作どころか集落の消滅の危機にさえ瀕している。いったい、
日本に農家がいつまで存在できるのか、である。それも新自由
主義にかぶれた政治家、官僚は「零細小規模な農家はどんどn
やめてくれたほうがいい、やめてくれたら海外から安い農産物
が買える」程度の認識なのである。いかな時代になろうと「農
業こそ国のいしずえ、基盤」である。
 
 2023年度のコメ、主食用コメの作況指数は101でやや良であ
る。十分な日照と台風がほぼなかったという好条件が幸いした。
ただ日本のコメ作りの歴史は、稲作をいかに北進させるかであ
り、耐寒性の向上を目指した品種改良が全てであった。そこで
そのような品種を栽培する北海道、東北では「質の低下」が生
じた、だがそれは全体として不作をもたらすようなものではな
い。

 現実、政府の言うようにコメの備蓄はある。なぜ備蓄米が増
えたかというと、主食用米の価格よりは安いが、家畜の飼料用
米よりは高く売れる備蓄用米にJAなどが積極的に入札を行った
からだが、しかし価格自体は一俵、60kg、一万円を切る水準で
あった。生産コストから考えると肥料、燃料、農薬、など主要
経費の高騰以前でも1kgの生産コストは200円を下回ることはな
かった。最低水準がそれだ。現状では1kgの生産コストは350円
を超えているという。

 1kgの最低生産コストが現状では350円としてもそのまま5kg
に換算すると1750円となる。全く利益ゼロ、販売店も利益ゼロ
が5kg、1750円である。したがって現在の米の販売価格5kgが
3000円を高いと騒ぐのは誤りである。ネットでは明らかな暴利
がまかり通っているが、これは足元を見た悪徳である。

 アメリカはトランプ大統領が2020年4月、コロナ禍で打撃を
うけた国内農家を支援のため、CARES法に基づき、190億ドルの
緊急支援を行った。160億ドルは農家への直接給付、30億ドルを
食肉、乳製品、野菜などの買上げに投じた。アメリカ政府は毎月、
乳製品、生鮮食品、食肉をそれぞれ1億ドルずつ買い上げ、大手
スーパーと提携し、買い上げた膨大な農産物を支援団体、教会な
どに供給した。同時に消費者向けの食料購入支援策が農業政策に
組み込まれている。消費者の購買力を高めることで農家の販売
価格も維持されている。また農家への所得補償のシステムも実に
充実している。

 貿易自由化を新自由主義で絶対化し、自国の農業への補助を
罪悪視するのは多くな誤りというほかない。上からの目線で、
ただただ減反、転作を強要し、離農を増加させ、コメ作りを
弱体化させることは国の根本を危うくすることだ。

 日本の農業に新自由主義を当てはめ、規模拡大、零細の切り捨
て、コストダウンを求めるだけでは、そもそも日本の国土、耕地
が狭い国では大規模な国土の国の農業には太刀打ちできるはずは
ない。

 だからあるていど高くても、好品質、安全な国内農産物を消費
するということだ。生産者と消費者の相互理解が重要となる。
消費者が安サだけ求め貿易自由か絶対となってはならない。
稲作農家の2021,2022年の年間手取りはわずか1万円、時給10円
という水準まで低下しているのでらある。主食でありながら国の
価格保証はない。多くの農家は例えば兼業で給与所得と通算で、
という苦肉の策を工事なんとか伝来の農地を荒らさないよう、か
郎じて踏ん張っているが、現実、離農は激増だ。

 スイスは卵ワンパック1000円という。一個が100円近いか、そ
れ以上だ。輸入卵の何倍でも国産がはるかに売れている。国民が
理解しているからだ。NHk記者がスイスで少女のそれを質問した
ら即座に「これを買うことで生産者のみなさんの生活も支えられ、
その御蔭でわたしたちの生活も成り立っているんです。高くて当
たり前でしょう」と答えたという、またスイスは価格に反映でき
ない部分は税金による所得保証を農家に行う。生産者、消費者、
流通業、加工業、すべてが持続可能な社会システムをスイスは
構築している。さすがというほかない。

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 ここでおコメ、5kg、3000円は当然であると考える。転売ヤー
の暴利を云っているのではない、農家も持続可能、消費者も受け
入れる価格を目指すべきだということだ。やすければいいという
ものではない。国内農家のために理解すべきだし、政治が、政治
家、官僚の間違った政策を改めさせる必要がある。

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