コメ不足と小選挙区制、新自由主義。農村と都市住民との対立。農家の声を国政に!
今年のコメ不足は日本の農業の現状と国の政策について深刻
な現実を露呈させた。作況指数は101、だが作付面積は減少の
一途、稲作に要する経費は上昇するばかり、高齢化が農業にお
いて深刻化している。採算のでない稲作、採算がでないのは稲
作ばかりではない、ほとんど、農業は儲からない。特殊な果物
などは別としても、ただでさえ農業は儲からない業種の代表な
のにコストはうなぎのぼりだ。離農が増えている。確かにコメ
を取り上げても、あの価格で稲作農家が生活できるはずはない
と思う。値上がりしたとメディアは騒ぐが、あの価格でやっと
最低水準に達したと見るべきだろう。
食料自給率は下がるのみ、鶏卵は自給?と思いたいが飼料は
ほぼ100%輸入である。またヒヨコが100%輸入、日本は場所と
時間を提供しているのみだ。農作物も輸入は圧倒的でコメは例
外だが、輸入食品は危険である。報道されないのだ。輸入小麦、
アメリカ産豚肉、成長ホルモン乱用の牛肉の最終処分地となる
日本、遺伝子組換えジャガイモ、など枚挙に暇はない。無論、
輸入食料品なくして日本人は生きられないが、国内農業の消滅
の危機を前に、日本人は国内農業保護を悪とする日本流新自由
主義を払拭しなければならない。
日本の農政を考える場合、とにかく農家、農村の声が政治に
と届かないのだ。衆院選挙は原則、小選挙区制、比例の定員も
人口に依拠している。農村地域、地方の人口は減少の一途であ
る。逆に首都圏、大都市圏へ人口は集中、そこで小選挙区だ、
東京は「一票の格差問題」でますます小選挙区は増え、狭い
選挙区となっている。
小選挙区はドブ板選挙、圧倒的な人数の議員が大都市選出と
なり、その猫のひたいのように狭い選挙区民の利益優先となる。
小選挙区では国全体からの見識ある政策を持つステーツマンは
育たない。政治家は留学経験者も多く、アメリカで新自由主義
を叩き込まれて帰国する。自民ばかりではない。そのような圧
倒的に多い大都市選出の銀の影響は施策に反映する。農業は国
の本、としての農業保護、農家への補助への反対の姿勢をとる。
決して過保護どころか外国並みに保護されない日本の農家を、
さらに攻撃する。食料品は高すぎる、農家の保護は控え、都市
住民の利益最優先の主張を行う。日本の食料輸入は関税の低さ
では世界屈指であるがあやまった風雪を流す。
現状では、コメ問題を考えた場合、全く将来は絶望的という
ほかない。とにかく政治に農民の意見が届かない、およそコス
ト割れの安すぎる価格、離農が増加は当たり前だろう。一年、
稲作をやって農家の手もとに残る現金はほとんどない。生活で
きるはずはない。兼業でかろうじて生活できているに過ぎない
が、そのような農家もいずれは農業をやめる。
選挙区を考えた場合、その広さも勘案スべきとの意見は一笑
にふされる。だがそこに真実性がある、国土への責任は政治家
に与えたれたものだ。国土なくして国家、国民はない。減るば
かりの地方農村の選挙区定員。国土にも、ものを云う権利を認
めないと、あまりに偏った政策に堕してしまう。大部分が離農
き、コメも不足が常態化したら大都市住民も困るはず、である。
それが現在の姿だろう。
それにしても、東京の小選挙区のあまりの狭さ、人の頭数だ
けでの小選挙区制では確かに国全体のトータルでの利益を見透
し、生産者と消費者の双方の利益、持続可能な農政、食料安全
保障を考えるようなステーツマンはでそうにはない。
東京小選挙区
岩手県小選挙区
農業は大規模化せよ、零細農化など滅びたらいい、と大都市
選出議員は咆哮する。実は日本は大規模化はまず難しい。国家
がなすべき農業保護が、無視されている。
農家、地方の声を何とかして政治の場に届けるよう、実現で
きるよう、努力しなければ日本の農業は消滅するしかない。
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