小泉進次郎、「総理の解散権」を私物化するな!「総裁に選ばれ、総理に就任したら衆院解散」宣言

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 まず日本国憲法の条文の稚拙さ、不明確さによって総理の
「解散権」が現実に乱用される結果になっている。その不明
確な日本国憲法でも「総理の解散権」を格別、過大に規定し
ているわけでもないが、マスコミでは「総理の解散権は伝家
の宝刀、誰も侵せない」と総理の解散権は異常なまでに「絶
対化」され、奇怪な現象をもたらしてきた。この解釈はマス
コミの不見識が大きく影響している。

 日本は大統領制の国家ではない。議会制民主主義の国であ
る。これが建前である。国民の選んだ議会が立法権を有して
いる。憲法第41条は

 国会は国権の最高機関であって、唯一の立法機関である

 とこれは明確に規定しているが立法権と行政権が癒着してい
る議院内閣制故に過剰に官僚が立法に関与している。三権分立
の明確なアメリカでは議会に官僚が出席して発言は許されてい
ない。

 ところが、たしかに内閣不信任案が可決されるか、信任案
が否決されたら内閣は総辞職しなければならない、この規定
は明確だが第七条が何を具体的に意味しているのか、曖昧で
あり、そこから解散は総理の専権事項から「すきなときに衆院
を解散できる」にまだ肥大化され、解釈されている。戦前で
もそのような解散はなかった。戦後の一つの異常である。

 国民に選挙で選ばれた(ただし比例名簿順位による当選は疑
問があるが)衆議院議員が、国民の選挙で選ばれたわけでもな
い総理の恣意的政治的判断で失職ということ自体が憲法違反
であろう。

 しかし総理の解散権は絶対、都合の良いときに何時でも、と
いう解釈自体が第41条に反するわけで憲法違反と考えること
が出来る。

 小泉進次郎の父親、純一郎は2005年8月7日に参議院で郵政
民営化法案が否決されたことをもって、衆院を解散という前代
未聞の暴挙を行い、電通などが背後にあったメディアによる
大衆操作をフル活用し、郵政民営化狂乱選挙を行った。この
大衆操作戦術はまんまと成功し、国民の虎の子の郵貯資金、か
んぽ保険料が外国に流出、株価操作に利用という悲劇を生んだ。

 憲法第七条は別に総理の自己の政治的都合による恣意的な衆院
解散を認めるものでは毛頭ないのに、意図的な解釈が内閣によっ
てなされてきた。その極端な例が小泉郵政民営化、参院での否決
をもって衆院を解散という、実はアメリカの指示による傀儡を
証明したものであった。お陰で国内のインフラ整備、公共事業に
使われた郵貯資金が米国債、ジャンク債、株式投資など国民には
全くメリットもない使われ方に転換、ここから日本の強靭さが
失われたのは重要である。

 そこで小泉進次郎が総裁に選ばれ、その後、総理に就任したら
即座に衆院を解散する、という宣言だが、純一郎譲りの自己の
政治的都合での衆院解散をやるということだ。世は総理の恣意的
解散権を認めるかのようだが、間違ったことはやはり間違ってい
る。基本は不信任案可決、その逆の場合くらいに解散権か限られ
るべきである。

 「自分が総理として国民に信任されるかかどうか」を、そもそも
何もやっていないのに、その手段で衆院解散など、議会の冒涜とい
うほかない。常軌を逸脱している。これも父親譲りだろうか。そう
考えるしかない。

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