一夜明けて高市早苗に未練たらたらのコメントが、サナエノミクスと右翼性への甘い幻想
さて、自民党総裁選は五度目の正直、石破茂氏は選出され
た。別に与党党首が国会での首班指名で選出という規定はな
いが、慣例的にはまずそうなる。で、一夜明けて報道、そこ
で紹介のコメントを見たら、「高市に未練たらたら」という
のがまず印象だ。高市早苗のどこがそんんいいい?理由は様
々のようだが、一つの要素として極右性への親近感で、とい
いう理由と「経済政策」のようだ。金利決定は日銀の決める
ことだが、そこは政府の出店であるから政治的圧力はかけら
れる。高市早苗は徹底してゼロ金利、可能ならまたマイナス
金利、それで好景気の演出を図りたい、単純に云えばそれだ
家の話だが、円安で輸出企業はボロ儲け、下請けには優越的
姿勢で無理難題の低価格を要求する、円安での物価値上がり
が庶民のみならず多くの産業にも過重な負担となっているこ
とは深刻な問題だが。
サナエノミクス期待で平均株価は急騰だったが、石破氏で
下落、とメディアはその「落胆」を伝えるかのようだ。
実際、サナエノミクスは基本幻想でしかない。金利政策は
どこまでも現実的視点によらねばならない。経済政策と云っ
て国内に製造業立地を促進?だがグローバル化で要は経済合
理性を踏みにじる立地の強要がうまくいく道理はない。
何よりも問題は外交だ。自民党の首相は100%「日米同盟
強化」を謳う、この点は誰がなろうと、いやらしいほど同じ
だ。ただでは中国との関係、またロシアとの関係、アジア諸
国との、と考えれば高市早苗では対中国で大きな破綻が生じ
る可能性が高い。重要資源、産業原料での中国の占める比重
はあまりに大きい、ガリウム、黒鉛などは差し迫る深刻な
問題だ。「脱炭素」政策が「無尽蔵の資源」を大前提とする
以上、要は資源を制する国が世界を制することになる。どこ
にも無尽蔵の資源など存在しない。最先端半導体技術、製品
を禁輸にしているが、中国の資源外交は「ガリウムなどまだ
始まったばかり」だというから、高市早苗の反中国路線一辺
倒でうまくいく可能性はない。石破氏の「アジア版NATO]も
アジア諸国は決して日本のような「日米合同委員会」の奇怪
な制約など受けないから、何が何でも親米反中国ではあり得
ない。時期尚早というより、非現実的である。
ともかく、「論調」は高市落選への失望で覆われているか
のようだが、しか、およそ現在の政治家で石破氏ほどの勉強
家はいない。議員連中などと飲み歩き、親睦を深めることも、
ほぼやらず議員宿舎で読書、勉強である。だから議員票が取
れない、わけだが、このような人こそ一国の首相にふさわし
いと考えるべきだ。メディア受けの派手なキャッチコピー、
確かに世襲でないから右翼性を政界出世の手段としたにせよ、
高市早苗の政治姿勢はとうてい、穏当なものではない。本当
に石破茂氏が選出されてよかったと思う。ある意味、誰が首
相の座につこうと、取り得る政策と結果としての現実に格別、
差があるわけではない。そこで重要なことは首相の見識、資
質、洞察力である。これから石破氏は勉強の成果を発揮すべ
きである。ただし、次回は高市早苗の逆襲がきつそうだ。私
は3年後には凌霜からの女性首相誕生を予想せざるを得ない。
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