スターリン独裁ソ連の落とし子、金日成と北朝鮮、粛清・強制収容所・恐怖政治は必然だった

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 北朝鮮の建国を考えるうえで、それはソ連、スターリン時代
のソ連こそが北朝鮮を建国し、金聖柱に金日成という伝説的な
民族運動の闘士の名前を与え、朝鮮戦争も綿密の画策し、その
勃発に導いたのもソ連である。およそ北朝鮮ほど、露骨にソ連
の衛星国を超えての「兄弟国」は他に例はない。白ロシアなど
は、そもそもロシア民族にほぼ一致なのだから、あえて兄弟国
と呼ぶ必要もなくらいだが、意味深長な兄弟国は北朝鮮だ。
なぜ金日成(金聖柱)より実力と実績があり、人望の厚い年長
の闘士おおぜいて、なぜ金日成(金聖柱)が?はおよそ、金聖
柱ほど、ソ連極東軍幹部に巧妙に取り入り、ソ連に、スターリ
ンに忠誠を誓った男もいなかったからだ。他の抵抗戦士は決し
て戦後のソ連の朝鮮半島、北半分の占領、ソ連流の共産国家の
建設に賛同してはいなかった。だが徹頭徹尾、スターリンの独
裁、粛清の嵐の強制収容所国家、ソ連に忠誠を誓って取り入っ
た男もいなかった。その後の北朝鮮は東洋的な血脈絶対を絶対
とはしたが、それ以外は全てスターリン時代のソ連を踏襲して
いる。無論、輪をかけてはおり、経済の最底辺化、餓死者の
続出、粛清、強制収容所は全てスターリン独裁のソ連を倣った
ものである。粛清恐怖政治、強制収容所送り、外国人には都合
のいい場所のみ見せる、金日成なりの「もう一つの小さな恐怖
政治国家・ソ連」の建設であった。建前は限りなくイデオロギ
ッシュに、実態との乖離こそは名誉というコンセプトである。

 金日成(金聖柱)が1932年4月、「朝鮮人民革命軍」を創立
は全くの事実無根である。公称でも1912年生まれなのだ。そ
のような名称の軍隊など存在しなかった。遊撃隊の副隊長を務
めていたのは事実である。抗日軍の師団長となっても小規模な
ものであった。20人前後とされる。東北(満州)抗日軍がソ連
極東方面部隊の司令部傘下八八独立旅団の編入され、大隊長と
なったが小規模軍ゆえ、金聖柱に大尉の称号をソ連軍は与えた。

ところがソ連極東方面軍の責任者はスターリンの指示で北朝鮮
入りした当日から金聖柱(後の金日成)を優遇し、押したて、
「将軍」としたのだ。小部隊の大尉に「将軍」は周囲を驚かせ
た。なぜか金聖柱はスターリン独裁政権の「寵愛」を受けてい
たわけである。業績ではとうてい、そのような待遇は非常識な
はずで、この超厚遇こそが北朝鮮、金日成の国家の性格を決定
してしまった。スターリンソ連の踏襲である。粛清・恐怖政治、
強制収容所、さらには餓死者もである。

 別にソ連軍に忠誠、心酔とは別に縁もなかった抗日軍で、
その反ソ敵傾向の同僚、戦友たちを極東軍のソローキン少将に
逐一密告、KGBの前身の情報員になったのである。これこそが
金聖柱、その後の金日成がソ連軍から超高評価される要因とな
った。すでの中国共産党の影響はなく、ソ連一辺倒である。
ソ連の思い通りになる人物、それが「将軍」評価にまでのぼり
つめた決定的な理由だ。

 くどくど書くと際限もないが、なぜ実績、年齢では劣る金聖
柱をソ連が最高位に押上げ、「将軍さま」としたのかは、ソ連
の思い通りになる、ソ連の秘密警察組織への「貢献」である。

 そこで金日成!になった若造を「将軍様」に据えて南部の赤
化を企てたソ連は南進の戦端をきらせることとした。朝鮮戦争
では中国義勇軍が無論、目立つが北朝鮮の建国自体がソ連に依
存し、その独裁国家のコピーに金日成!が舞い上がったのは自
然の成り行きであった。

 全て北朝鮮はソ連、スターリン独裁、恐怖政治国家の落とし
子である。それを「チュチェ」思想の味付けをして再現し、さ
らに極端な収容所国家、粛清国家を絶対的な国家理念としたの
である。あらゆる政敵、同じソ連派出も含め、スターリンを真
似た血の粛清、秘密警察としての保衛隊、徹底した思想弾圧、
秘密強制収容所の各所への配置、自己のみの神格化、まさしく
、いじましいまでスターリン独裁時代のソ連のアイテムを朝鮮
半島の凍土にさらに過激化して展開した。その結果の北朝鮮で
ある。弾圧思想としてマルクス主義を完膚なきまでの利用。

 ウクライナ戦争での北朝鮮の態度も、実は当然であり、これで
はロシアも大いなる後退と云わねばなるまい。新たな悪の枢軸化
である。

1945年11月14日、ソ連軍歓迎平壌式典当日、ソ連から勲章を
授かる金聖柱(金日成)それにしても、金日成!とは旧ソ連の
悪いところだけを学んだ男と云うほかはあるまい。

    
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 伝説的な「金日成」にお目にかかれると集まった民衆は、壇
上の若造を見て腰を抜かすほど驚いたことは云うまでもない。
以後、「われこそは金日成」との偽金日成を演じ続け、さらに
徹底した神格化を図るためには手段を選ばぬ恐怖政治、あらゆ
るレベルでの粛清、その道具たる強制収容所を津々浦々に建設
、もし偽スターリンがスターリンを演じ続けると想定すれば、
結果としてスターリンの恐怖政治を超えるのは当然だろう。
常に「本当は金日成ではない」と言われることへの内なる不安
に支配されていた。

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